土木交通委員会(7月2日) 江上博之議員
久屋大通駅エスカレーター事故
交通局「暫定補強で大丈夫」と思いこむ
ボルト折損を半年も放置した市の責任は重大
7月2日の土木交通委員会で5月9日に発生した久屋大通駅エスカレーター事故について審査され、江上博之議員が質問しました。
9月21日から3月10日までメーカーに催促もせず
この事故は上り運転のエスカレーターのステップが突然下降し、市民14名が負傷したものです。交通局による事故の経緯説明では、ボルト2本の折損に対し「4カ所の補強金具で溶接して補強」「恒久対策は部品が入る翌年4月以降になる」と日本オーチス・エレベーター社が交通局に説明したとあります。
江上議員は、「局の説明では、9月21日から事故発生日まで、エレベーターを管理する交通エンジニアリング(交通局の外郭団体でエスカレーターなど通常の保守点検を受け持つ)とメーカー間でまったく連絡がないのか」と事実経過を追及。交通局は「交通エンジニアリングは3月10日ごろメーカーと連絡を取っている」と答弁。江上議員が、「ならば9月21日から3月10日までメーカーに何の催促もしていないのか」と詰め寄ると「暫定補強で大丈夫とメーカーに言われ信じてしまった。交通局としては、5月9日までメーカーに対し直接連絡を取っていなかった」と答えました。
江上議員は、「ボルト折損は異常事態。半年間も放置した局の責任は重大。交通エンジニアリングまかせにせず、局として技術や知識を持つべきだ」と指摘しました。
また、江上議員は、「事故から2ヶ月近くになるが当該エスカレーターは、まだ動いていない。乗客にはたいへんな迷惑を掛けている」として、局の認識を質問。局は「できるだけ早く安全が確認できるようにしたい」と答えました。
与党議員からは、「交通エンジニアリングにエスカレーターなどを管理させず、メーカーに直接点検を行わせるように」などの質問が出されました。
事故発生前の経緯
日時 | 事項 |
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07年 9月5日〜13日 |
メーカーは、他事業者に設置された同社製エスカレーターで固定ボルトの折損が発見されたことから、ハンマリング(打音検査)を緊急に実施。対象は事故機を含む同一機種のエスカレーター19基 |
07年 9月15日 |
メーカーから交通局に以下の説明があった。 (1) 久屋大通駅エスカレーター4号機の固定ボルト6本のうち2本が折損していること (2) 同機は、9月中に暫定的に4カ所の補強金具を溶接して補強すること (3) 同機を含めた19基のエスカレーターに実施する恒久的な対策は、部品の製造に時間を要するため翌年4月以降になること 施設事務所は、暫定的な補強工事を9月21日終車後に実施すること及び恒久的な対策をメーカーからの説明のとおり実施することを承諾(施設事務所は、メーカーからの説明内容と実施に向けて業務を進めていることの連絡を本庁にメールで送信) |
07年 9月21日終車後 |
メーカーは交通局と(株)交通エンジニアリングの立ち会いのもと暫定補強工事 |
(以降毎月) | 月1回の定期点検時に異常なし |
08年 5月9日 |
事故発生 |