日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2008年7月4日発行

青少年交流プラザ条例一部改正の反対討論 わしの恵子議員

青年の社会教育施設の最後の砦
今こそ青年期の社会教育は必要
「宿泊青年の家」を社会教育施設から外すな

わしの恵子議員は、7月4日、青少年交流プラザ条例の一部改正について、本会議で下記の通り反対討論を行いました。

名古屋市青少年交流プラザ条例の一部改正について、反対の立場から討論いたします。

この議案は、「青年の家条例」を廃止し、宿泊青年の家を、青少年交流プラザ分館として、指定管理者制度を導入して、施設の管理を民間にゆだねようとするものです。

宿泊青年の家は25年前に生まれました。そして、青年の家4館とともに、青年の自主的な学習・文化活動を保障する社会教育施設として、本市の職員が、市民との共同で、直接事業の運営に努力してきました。

その後、「役割は終わった」と、相次いで4つの青年の家が廃止され、青少年交流プラザが建設されましたが、社会教育施設としての位置づけを外されたため、今となっては、宿泊青年の家が、本市唯一の青年の社会教育施設として、最後の砦ともいえる役割を果たし続けてきたのです。

ところが今回の提案は、宿泊青年の家まで、そのあり方を根底から否定しようというものです。しかし、施設を利用する青年たちが、その先にある交流や仲間作りを目指して、人とのつながりから社会性を学び、視野を広げることは、今の時代だからこそ求められているのです。

最近、青年たちに戦前のプロレタリア作家、小林多喜二の「蟹工船」ブームが起きています。北の海でカニを捕り、缶詰に加工する船の労働者が、人間扱いされない過酷な労働条件を改善させたいと、闘いに立ち上がる物語です。これが、ネットカフェ難民やワーキングプアと呼ばれる現代の若者たちにも、自分たちの姿と重ね合わせ、共感や希望を与えるものになっているといわれています。

過酷な競争・格差社会で、就労・自立や市民的共同の契機を奪われ続けてきた今日の青年たちは、自らの生き方を模索し、学びあう場や機会を求めています。青年期の社会教育はますます必要になっています。こんな時代だからこそ、宿泊青年の家を、社会教育施設から外すことは認められません。

さらに、施設の管理・運営をことさらに「事業」と分離して、指定管理者にゆだねれば、管理・運営は今まで以上に「貸室・宿泊機能」に特化せざるを得ず、青年の自主的な学習や文化活動が保障されなくなってしまいます。

以上のことから、この条例改正案には反対を表明し討論を終わります。

 

教育子ども委員会(6月27日〜7月1日) かとう典子議員

市職員による直営・一体的運営で青少年の活動支援を

教育子ども委員会では、青少年交流プラザ条例改正案について、かとう典子議員が審議しました。

かとう議員が「社会教育法に基づく社会教育施設でなくなるというが、運営体制はどうなるのか」とただしたところ、当局は「施設管理は指定管理者が行うが、事業はプラザの直営」「現在、社会教育主事を、プラザに3名、宿泊青年の家に1名配置しているが、今後は本館と一体的に行うことになる」と答えました。

かとう議員は「社会教育施設でなくなれば、行政からの独立が保障されない。その上、施設管理と事業を分離し、講座などの事業だけを社会教育主事が行えば、ますます行政のお仕着せになりかねない」「施設管理も、貸し館・ホテル業者が指定管理者になってしまう」と指摘し、市職員による直営・一体的運営を求めました。