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2008年8月28日発行

8月28日 財政福祉委員会 わしの恵子副委員長 くれまつ順子議員

市立病院改革プラン 経営効率最優先でなく、市民の声で改革を
市立病院の病床削減や経営形態変更も視野に

財政福祉委員会では、総務省の公立病院改革ガイドラインに基づく「名古屋市立病院改革プラン(仮称)」の審査が行われました。

総務省ガイドラインに法的強制力はありませんが、地方公共団体は08年度中に公立病院改革プランを策定し、経営効率化については08〜10年の3年間で行い、公立病院の再編・ネットワーク化や指定管理者制度などの経営形態の見直しは08年から5年間で行うとしています。

市立病院の経営状況はたいへん厳しく、医師確保などは急務の状況です。

市立病院の経営状況

2002年度以降、国の診療報酬マイナス改定等により単年度収支の赤字が続き、06年度以降は医師・看護師不足当により急激に悪化。また、07年度は東市民病院、緑市民病院の2病棟休止により病床利用率が落ち込んだ。

(07年度見込み)
累積欠損金
 119億8500万円
収益的収支 △39億1200万円

名古屋市立病院改革プラン(仮称)

「名古屋市立病院改革プラン(仮称)」を今年度中に策定する。改革プランの計画期間は2008年度から2010年度。「2011年度以降の市立病院のあり方について検討する」旨をプランに記載。これは西部医療センター中央病院(現城北病院)開院以降の方向性を検討開始するもの

一般会計繰入を減らさず病院を支えよ

ガイドラインは「一般会計等との間での経費の負担区分について明確な基準を設定」するとして繰り入れを抑制する内容です。くれまつ議員が今後の方向性を問うと、病院局は「繰り入れ基準に基づいて行い、ガイドラインが出ても大枠は変わらない。赤字の垂れ流しに補填は良くないということ」と答えました。

病床利用率が3年連続70%以下なら病床数削減や診療所化の危険

くれまつ議員は「経営効率化の必須目標のうち、病床利用率については、概ね過去3年間連続して70%未満の場合、病床数の削減、診療所化などの抜本見直しが適当としている。過去3年間とはいつからの3年間か」と質問。病院局は、「総務省はいつからとは明確にしていない。計画のどこかの段階で3年連続ということ」と答えました。

くれまつ議員の「現在までの市立病院の実績を見ると病床数削減などの見直しの対象になる可能性が大きいのでは」との質問には、「緑市民病院が今年度も70%以下だと3年連続となり、病床削減の対象になる」「今のままならそういう状況が出てくるが、プラン通りに実行して利用率を上げたい」と答えました。くれまつ議員は「医師を確保して利用率を上げる努力を。将来のベッド数削減は行うべきではない」と主張しました。

指定管理者や独立行政法人化も検討

くれまつ議員は、「改革プランには平成23年度以降の市立病院のあり方について検討するとあるが、さらなる病院再編や指定管理者制度や独立行政法人化が盛られてくるのか」と質問。次長は「今、正確に答えるのは困難。いろいろな選択肢があるのでそれぞれ検討する」と答えました。

くれまつ議員は、「再編縮小を市民は望んでいない。指定管理者等にはするべきではない」と主張。

一方、民主党や公明党の議員は、「指定管理者や委託化が全国の流れだ」、「そこまで踏み込む気持ちがあるのか」とあおる質問をしました。

くれまつ議員は「経営優先ではなく、高度医療から身近な医療まで安心して受けられるよう、市民の声を聞いてプランづくりを」と要求しました。

市立病院の病床利用率の推移(%)

  守山 城北 城西
05年度
85.4
84.3
89.8
80.2
77.2
83.4
06年度
79.8
76.6
88.7
78.4
69.1
78.5
07年度
69.7
65.8
85.2
71.4
57.7
69.7