日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2008年9月11日発行

9月9日 6常任委員会いっせいに審議

障害者施設などの民営化推進 冷水プールは廃止
コスト削減一辺倒の行政評価はやめよ

名古屋市の2008年度行政評価(事務事業評価)は、05〜07年度に外部評価がC、Dだった「公の施設以外の事務事業」70事業と昨年の市評価及び外部評価がB、C、Dだった「公の施設」109施設を対象にして、その後の取組を点検評価したものです。

前回の評価以降15事業が休廃止に

前回の外部評価がC、Dだった「公の施設以外の事務事業」では、市評価がAやBであっても15の事業がすでに「休廃止」になっています。

休廃止になった事業(カッコ内は前回の市評価・外部評価)

信用保証協会への出捐(A・C) 太陽光発電システム導入促進事業(B・D) 通所型施設での宿泊を伴う短期入所事業の実施(身体障害者)(B・C) 重症心身障害児・者受入補助(B・C) 食品衛生管理責任者講習会(A・C) 青年指導者育成(A・C) 肢体不自由児巡回療育指導等(B・C)  など15事業

さらに勤労者福祉事業助成や、レジ袋削減運動、国民健康保険給付など23事業が「見直し」とされました。今年度、保険料大幅値上や75才減免を廃止した国保について、外部評価が「U概ね十分な取組」と評価するなど、市民の痛みは視野にありません。

施設の統廃合、民営化、利用料金制

「公の施設」では、63施設が「運営改善」、33施設が指定管理者等の「あり方の見直し」、13施設が「統廃合、民営化」について、検討されました。「統廃合、民営化」13施設のうち、7施設が「廃止」について検討され、短歌会館は2010年度に廃止、冷水プールなどが順次廃止とされましたが、御岳休暇村は引き続き廃止も含めて検討するとされました。民営化は知的障害者通所授産施設や更生施設等の5施設について検討されました。また、利用料金制度については、能楽堂やスポーツセンターなど19施設について導入の方向が示されました。

前回のA〜Dの総合評価

A評価 計画通りに事業をすすめることが適当
B評価 事業の進め方の改善の検討
C評価 規模・内容・実施主体の見直しの検討
D評価 事業の抜本的見直し、休・廃止の検討

「公の施設以外の事務事業」の市による自己点検結果

  事業数 平成19年度決算見込額
件数 割合(%) 金額(千円) 割合(%)
休廃止
15
21
1,109
0
見直し
23
33
181,674,433
98
見直し検討
0
0
0
0
継続
26
37
3,052,699
2
検討中
6
9
273,442
0
合計
70
100
185,001,683
100

外部点検結果

  事業数 平成19年度決算見込額
件数 割合(%) 金額(千円) 割合(%)
T十分な取組
8
20
19,212,925
12
U概ね十分な取組
16
40
141,001,675
88
V一層の取組が必要
10
25
273,789
0
W取組がされてない
6
15
359,376
0
合計
40
100
160,847,765
100

事業本来の目的に沿った評価こそ必要

行政評価そのものを扱う総務環境委員会では、山口きよあき議員が太陽光発電システム導入促進事業の廃止について、「05年度の外部評価は、システムが低廉化したから市の一部補助は廃止を、としたが、その後のシステムの普及状況を市は把握もしていない。行政評価の目的は補助を切ることではなく太陽光発電の普及だ。本来の事業目的に照らして評価していない」と指摘。

また、民間委託をすすめるゴミ収集についても、「目先のコストよりも、災害などの対応を考えると直営を堅持するべきだ。行政のスリム化でなくごみ量のスリム化への貢献度こそ評価すべき」と批判し、「事業目的とずれた評価が目立つ行政評価そのものがムダであり見直しすべきだ」と主張しました。