都市消防委員会 2007年度決算審議 田口かずと議員
住宅都市局
モード学園スパイラルタワーズと三井ビル本館を結ぶ地下通路
工事費に3億8000万円の税金投入
モード学園スパイラルタワーズ
平日の昼間や土日は閑散としている地下通路
9月議会では2007年度決算審議が行われました。その主な審議内容を順次紹介します。
名古屋駅前に建設されたモード学園スパイラルタワーズ。らせん状の形が注目を集めるこの超高層ビル建設に、名古屋市は8億円の補助金を出しました。補助した理由の一つは、笹島交差点の広小路通の地下に「公共用通路」を建設したからといいます。ところが、この地下通路は、朝夕の通勤時以外は、人通りが少なく閑散としています。
田口議員は質問で、この地下通路の建設費が6億円で、そのうち市が3億8千万円を補助したことを明らかにし、「地下通路を見てきたが、昼間にここを利用する人は、三井ビル本館に出入りする人がほとんど。三井ビルのための連絡通路だ。市が補助金を出す必要はなかった」とただしました。
市当局は、「南側の開発も進み、有効な対策が図られる」と答弁。田口議員は、「これから対策を講じなければいけない通路に、多額の税金投入は問題だ」と指摘しました。
モード学園スパイラルタワーズ
名古屋駅前の三井ビル南館・東館跡地に、モード学園と三井不動産が建設した地上36階、高さ170mの超高層ビル。「名古屋モード学園」など3つの専門学校などが入っている。
木造住宅の耐震改修助成
「改修費用の軽減へ3つの提案」に
「補助対象の拡大を検討」(市)
木造住宅の耐震改修助成は07年度、400件の予算にたいして、実績は207件にとどまりました。その理由は、耐震改修の費用負担が大きいからです。耐震改修の工事費は平均222万円。これにたいする助成金は60万円です。
田口議員は、「耐震改修を促進するためには、工事費の負担を軽くすることが必要」と指摘。費用軽減のために、(1)安くて効果的な耐震工法を開発し、普及する。(2)補助対象は、判定値0.7未満の場合は1.0以上への改修工事が基準だが、たとえば0.9までの改修にも助成するなど補助対象を拡大する。(3)助成金の金額の引き上げる、という3つの提案を行いました。
市当局は、「低コストの耐震工法は開発中。補助対象の拡大は検討していく」と答弁しました。
木造住宅耐震診断助成
名古屋市の耐震診断を受けた結果、判定値が0.7未満の場合、また、判定値が0.7以上1.0未満の場合には、一定の基準を満たした耐震改修工事に対して補助金が受けられます。補助金は耐震改修工事費の1/2かつ上限が60万円です。
民間住宅耐震診断・耐震改修助成の2007実績
項目 | 件数 | 金額 |
---|---|---|
木造住宅無料耐震診断 | 3046件 | 9800万円 |
木造住宅耐震改修助成 | 207件 | 1億2200万円 |
非木造共同住宅耐震診断助成 | 23件896戸 | 3000万円 |
非木造共同住宅耐震改修助成 | 1件75戸 | 360万円 |