総務環境委員会 2007年度決算審議 山口きよあき議員
環境局
2010年のCO2排出削減目標は達成できるか
なんでも燃やすごみ処理では温暖化防止に逆行
9月議会では2007年度決算審議が行われました。その主な審議内容を順次紹介します。
名古屋市は1990年から2010年までに温室効果ガスを10%減らすことを目指しています。しかし大半を占めるCO2は1990年より排出量が増えているのが実態です。家庭やマイカー、オフィスなどからの排出量が増えているためです。家庭向けには様々な取組・啓発が行われていますが、自動車流入規制や事業所での大胆な取組が必要です。
名古屋市は事業所に地球温暖化対策計画書の作成と実施結果の報告書を求めていますが、2007年度までの最初の3年間の実施結果報告書によれば、提出された310事業所で776万トン-CO2が765万トンに、中電などエネルギー供給事業所を除くと440万トンが398万トンに減少しています。しかし、中電など約半数の事業所は減らすどころか増加させています。
今後、緑区でのゴミの新焼却施設が完成し、ガス化溶融炉でなんでも燃やせば埋め立てがなくなるとか、不燃ごみのプラスチックも、電機やコークス源にはなるものの、結局は燃やしている実態を見直すなど、思い切った対策が必要です。
藤前干潟を活かした環境施策を
決算審議の中で、藤前干潟の保全について、ラムサール条約に登録した以上、一歩も足を踏み入れるべきではないと、条約の趣旨にそむく発言が他党の委員からありました。
温室効果ガスの排出量推移 (排出量単位:万トン-CO2)
区分 | 1990年 基準年 |
2003年 | 2004年 | 2005年 | 2010年 目標値 |
---|---|---|---|---|---|
二酸化炭素(CO2)排出量 | 1,610 | 1,677 | 1,650 | 1,637 | 1,449 |
基準年比 | +4.2% | +2.5% | +1.7% | △10% | |
温室効果ガス総排出量 | 1,739 | 1,748 | 1,715 | 1,694 | 1,566 |
基準年比 | +0.5% | −1.4% | −2.6% | △10% |
大気汚染の改善と被害者救済を
測定局28局中10局だけがNO2の環境目標を達成 浮遊粒子状物質は7か所で基準越え
環境局の決算審査で、山口議員は大気汚染の現況と対策をただし、大気汚染の改善と被害者救済をすすめるよう求めました。
大気汚染の測定結果でも、まだ改善は不十分です。いっそうの努力を促しました。
大気汚染常時監視結果 (2007年度)
測定局 | 箇所数 | 二酸化窒素 | 浮遊粒子状物質 |
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一般環境大気測定局 | 17ヵ所 | 10ヵ所で環境目標 (0.04PPM)を達成 |
4ヵ所で環境基準 (0.10mg/m3)を超えた |
自動車排出ガス測定局 | 11ヵ所 | 1ヵ所で環境基準 (0.06PPM)を超えた |
3ヵ所で環境基準 (0.10mg/m3)を超えた |
各地の特定呼吸器疾病医療費助成制度
自治体名 | 対象者 | 対象疾病 | 助成内容 |
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東京都 | 18歳未満 | 注1 | 自己負担額 |
18歳以上 | 気管支ぜん息 | ||
川崎市 | 20歳未満 | 小児ぜん息 | 自己負担額 |
20歳以上 | 気管支ぜん息 | 自己負担額(医療費の1割分を除く) | |
東海市 | 全年齢 | 注1 | 自己負担額 |
大阪市 | 15歳未満 | 注1 | 自己負担額(一定額を除く) |
吹田市 | 全年齢 | 注1 | 自己負担額 |
東大阪市 | 15歳以下 | 注2 | 自己負担額 |
注1:慢性気管支炎 気管支ぜん息 ぜん息性気管支炎 肺気しゅ
注2:気管支ぜん息 ぜん息性気管支炎