日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2008年11月21日発行

11月21日 11月議会 議案質疑 かとう典子議員

新たに来年10月から、65才以上13万人対象
市民税の年金天引きをやめよ
65〜74才の国保料天引きも


質問するかとう議員

かとう議員は、住民税を年金から天引きするための条例案、名古屋城本丸御殿の復元工事契約について質問しました。

人の財布に手を入れてむしり取るやり方

これまで年金からは所得税、介護保険料、後期高齢者医療保険料が天引きされています。これに加えて来年10月からは、65才以上の公的年金受給者から個人市民税も年金天引きにする条例案が提出されています。年金が一人世帯で155万円以上、夫婦世帯で211万円以上なら天引きされます。年金しか収入のない高齢者にとって、毎月の家計のやりくりに四苦八苦している中で、納税方法の相談の余地もなく、無理やり税金を徴収するものです。

また被保険者全員が65〜74才世帯(約7千世帯)の国保料を天引きする条例案も出されています。

かとう典子議員は「病気などでお金が必要な時に、払う時期を少し遅らせてほしいという市民の思いをどうするのか、人の財布に手を入れてむしり取るやり方といっても過言ではない。本人の同意なしに個人の財産である年金から一方的に天引きすることは許されない。市民の納税方法の自主決定権を侵害する」とただしました。

財政局長は、この問題に何ら触れることなく、「納税者の利便性向上、納付忘れ防止になり、納付時期も年4回から6回と緩やかな負担になる。市民によく説明したい」と答えるにとどまりました。

 

市民のくらしが大変な時に
本丸御殿109億円の工事を急ぐのか

いまこそ問われる、税金の使い方

名古屋市は名古屋城本丸御殿の復元工事について契約金額109億円で、2018年までの10年間、「間組」を中心とした特別共同企業体と契約しようとしています。市民の暮らしは、定率減税廃止、国保料や介護保険料などの負担増、物価値上げに金融危機の影響も加わり、かつてないほど厳しくなっています。なぜこんな時に本丸御殿かという、税金の使い方への批判も寄せられ、こんな時だからこそ、市民生活を守る緊急対策が求められます。

かとう典子議員は、本丸御殿の工事契約について「来年4月に新市長が誕生するので、いま10年もの長期事業の契約は、後にタガをはめることになる」と指摘し、「今、契約はするべきでない」とただしました。市長は「開府400年に本丸御殿の玄関一部公開をすることは大変意義がある。今年度中に工事着手する必要がある」と答えました。

談合企業に10年間の工事を発注

復元工事を落札した「間組」は本市の地下鉄工事をめぐる談合事件で、他の企業と共に指名停止を受けています。他の企業は現在も指名停止中ですが、間組は、談合したことをみずから申告して公正取引委員会の刑事告発を免れ、今年3月に指名停止期間が終了しています。かとう議員は「こうして指名停止期間を短くした企業に工事を任せることは、市民感情として受け入れられないのではないか」とただしました。財政局長は「指名停止は終了し問題ない」と答えました。

市民の暮らしに冷たい市長

かとう議員は、「景気が悪いにもかかわらず、市長も財政局長も、市民の暮らしに目を向けない冷たい態度だ」と厳しく批判しました。