厚労省が交渉で回答
「差押えとは、おどしだ。ここまで指導していない」
国保料滞納世帯への「特別相談案内」に国も驚きの声
要望書を手渡す参加者
12月5日に市議団が厚生労働省と交渉
12月5日、党名古屋市議団は党愛知県委員会が行う省庁交渉に参加しました。せこゆき子、八田ひろ子衆院比例予定候補らとともに、わしの恵子、うめはら紀美子、かとう典子、山口清明、くれまつ順子の各議員が参加しました。佐々木憲昭衆院議員も同席しました。
「特別相談案内」から削除すべき
市議団は市の国保料滞納者に対する『特別相談案内』(11月17日から20日頃までに郵送や訪問で対象世帯に届け、相談期間は12月10日までとしている)を厚生労働省に示し、「差押えや延滞金などおどしのようなことが書いてある。こういうことを書かせていいのか」と迫りました。
市の『特別相談案内』より抜粋
※資格証明書であっても、保険料の納付義務はありますので、このまま未納が続きますと、法令の規定により財産の差押えその他の措置をとることになります。
※下記の未納保険料に、年7.3%の割合で計算した金額が延滞金として加算されます。
同省担当官は「ここまでやれとは指導していない。これはおどしだ」と驚きを隠せませんでした。佐々木憲昭衆院議員も、「差押えの根拠が税金同様にあるというが、納税にも猶予がある。この文章は削除させるべきだ」と発言。担当官は「この案内で何人が相談に来たのか、調査する」と答えました。
市議団は「保険料未納分の賦課や一般会計繰り入れを30億円も削減するなどで保険料が高すぎる状況。このままでは資格証明書発行がさらに増えるが、収納率がそれで上がるわけではない。資格証明書発行をやめるべきだ」と訴えました。
市は子どものいる世帯すべてに
世帯分の保険証交付を
交渉では、「子どものいる世帯をすべて資格証明書の交付対象としないことを明示すべきだ」との要望にたいして、厚生労働省担当官は「資格証明書発行は相互扶助の観点から必要だが、機械的に発行しないように通知し、特別な事情がある場合はその世帯に属する被保険者に短期保険証を出すようにしている」と回答しました。
名古屋市の対応は違法性が強い
また、同省担当官は「子どもにだけ被保険者証を交付した自治体があるが国保法は世帯単位が基本であり、法令違反の疑いが強い」と回答。市議団から、「名古屋市が出した特別相談案内には、『あなたの世帯の中学生以下のお子様については、通常の有効期限よりも短くした保険証(短期保険証)をお渡しします』とあるのは、違法ということか」と確認を求めると「その疑いが強い」と答えました。
市議団からは「市は本会議で子どもには発行すると堂々と答弁している」「わが団は11月10日に子どもだけでなく世帯分発行を申し入れた」と訴えて、国から市への指導を強く求めました。
15才以下に一律で短期証交付の法改正
その後、「自民党は8日、滞納世帯でも15才以下の子どもに一律の保険証を交付する国保法改正案をまとめた」(12.8「毎日」夕刊)と報じられています。
省庁交渉のその他の項目
(厚生労働省)
- 大企業の「首切り」「雇い止め」やめさせよ
- 一時保護施設(シェルター)の設置や生活保護の充実
- 学齢障害児の放課後制度化
- 人工透析の改善
(国土交通省)
- トラック産業の公正取引と労働条件改善