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2009年2月25日発行

2月議会 議案質疑(2月25日) 田口かずと議員

中村区役所での生活保護申請 4倍に急増
住居がない場合、居宅での保護を支援

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連日100人を超える相談者(中村区役所)

昨年来、生活保護の受給者数が増え、今年はさらに増加が予想されています。大企業の雇い止め・解雇で、仕事と住まいを失った労働者が殺到した中村区役所には、年明け以降、連日100人を超える相談者が押し寄せています。田口議員は、中村区役所に1月に相談に訪れた1926人の「住居がない人」の生活保護申請の実態をただしました。局長は「280件を受理。昨年平均の約4倍」と答えました。

全区に徹底を

中村区役所では、住居がない場合でも生活保護の申請を受理しています。日本共産党の佐々木憲昭衆院議員の質問で、厚生労働大臣は、「日比谷公園のようなところで寝泊まりしている人も申請は可能。また、自治体の助けを借りてアパートを借りると、そこが住所となり、その段階で給付ができる。全国で同じようにする」と答弁したことを踏まえ、市の対応をただし、局長も厚労省と同じ姿勢を示しました。田口議員は、「自治体の助けを借りてアパートを借りる」という対応を各区の社会福祉事務所に徹底することを強く求めました。

大企業の責任を問えない市長

生活保護受給者が急増している背景にある大企業と国の責任について、市長の認識をただしたところ、「派遣切りの問題はある。国や県が適切に対応するよう願う」と答えるにとどまり、企業には全くモノを言いませんでした。

 

定額給付金給付事業
ホームレスの人などにも届くのか

演壇に立つ田口議員

給付開始は早くて6月下旬

多くの人が「評価しない」定額給付金。国民が、究極のバラマキ、選挙対策であり、消費税増税に直結していることを見抜いているからです。2兆円(名古屋市で353億円)は、雇用対策や社会保障などもっと有効に使うべきとの声が出るのは当然です。

田口議員は、「本当に生活支援を必要としているホームレスやネットカフェ難民の人たちに給付金が確実に届くのか」と質問。局長は「平成21年2月1日に住民登録されている住所に申請書を郵送。臨時相談窓口を設ける」と答えましたが、届く保証はありません。

また、田口議員は、「申請書が宛先不明で返送される人や、口座を持たず病気などで窓口へ出向くことのできない人はどうなるのか」とただし、局長は「来れない人は検討課題」と答えるにとどまりました。

なお、給付開始は早くて6月下旬になります。

定額給付金給付事業

給付対象者 受給権者 対象者 給付額
住民基本台帳に
記録されている者
世帯主 約100万世帯
約224万人
(うち外国人約6万7千人)
・1人 12,000円
・65歳以上と18歳以下は
 1人 20,000円
外国人登録原票に
登録されている者
該当者

注)平成21年2月1日が基準日となる

 

日本共産党など5党が提案した
「緊急雇用対策の強化を求める」意見書を可決

2月25日の本会議で、日本共産党などが提案した緊急雇用対策に関する意見書が可決されました。

緊急雇用対策の強化に関する意見書

世界的な金融危機に端を発した不況の影響で、我が国の雇用情勢は急速に悪化し、製造業を中心に派遣労働者などの非正規雇用者等の解雇・雇い止めが大変な勢いで進み、国民の間に生活に対する不安感が高まっている。

このような中、本市を初めとする各地方自治体は、緊急対策の一環として、臨時職員の募集や公営住宅への一時入居などに取り組んでいるところである。

しかしながら、先行きの見通しが立たず、また緊急事業に要する財政負担も大きく、加えて今後3月末に向けて、さらなる失職者が生まれると言われていることから、国及び県において抜本的な対策を講ずることが強く求められている。

よって、名古屋市会は、国会及び政府並びに愛知県に対し、早急に次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 仕事と住まいのない非正規雇用者等に対し、当面の生活支援や住まいの確保など、生活の安定につながる即効性のある施策を強力に推進すること。
  2. 雇用保険の適用対象者の拡大や失業給付の受給資格要件の緩和等を行うほか、企業等を含めた総合的な解決策を講ずるなど、雇用のセーフティーネットを強化すること。
  3. 労働者派遣法の改正を行い、労働者の権利を守る法整備を行うなど、雇用全般のあり方について緊急に対応すること。
  4. 職業訓練等により介護や新エネルギー分野などを含め、失業者に対する就労支援等を行い、自立を促す施策を充実すること。また、一人親世帯者や高齢者など、就労が困難な状況にある者に特段の配慮をもって就労支援等を行うこと。
  5. 緊急宿泊援護事業など、非正規雇用者等に対して地方自治体が特別に実施した支援策について、必要な財政措置を行うこと。
  6. 従来の産業雇用対策推進本部にかわる実効性ある組織を立ち上げ、将来を見据えた抜本的な支援策及び解決策を講ずること。
  7. 借り上げ方式を含め、三河地区に自立支援センターやシェルター等を早急に設置し、生活支援と雇用確保を進めるとともに、「非正規労働者等緊急相談窓口」など各種施策の積極的なPRに努めること。
  8. 派遣労働者や期間従業員の雇い止め等の防止に向け、労働条件などの雇用問題に関する相談窓口の拡充を図ること。