日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2009年3月5日発行

本会議 個人質問(3月5日) 山口きよあき議員

無料低額診療事業の活用など
セーフティネットの強化を

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演壇に立つ山口議員

山口議員は、3月5日、本会議質問でいのちとくらしを守るセーフティネットなどについてただしました。

市の生活保護受給者が3万人を超えました。いまほど、きめ細かいセーフティネットが必要な時はありません。山口きよあき議員は、すでにある貧困を予防する施策の積極的な活用を求めました。

国保・医療費自己負担減免猶予制度の利用促進を

医療機関への支払いが困難な時はその支払いを減免・猶予できます(国民健康保険法第44条)。しかし2006年度15件、2007年度22件、今年度も1月末で15件のみです。山口議員は「13万世帯が国保料の減免を受ける実態に比べ、一部負担金減免制度の利用はあまりに少ない」と指摘し、利用の促進を求めました。局長は「重要な施策なのでPRする」と答えました。

無料低額診療をしている病院は2つだけでいいのか

社会福祉法にもとづき、生計困難者のために無料または低額な料金で診療を行う事業があります。市内の民間二病院が実施しており、2007年度では延べ患者数が77,647人でした。山口議員は「実施を希望する医療機関から届けがあれば受理すべき」と求めました。健康福祉局長は「国の抑制方針で新規の受理は難しいと思う」と答えましたが、「自治事務ではないのか」との再質問に対し「受理は自治体が判断する。希望する法人の届出内容について慎重に吟味し判断したい」と答えました。

生活福祉資金貸付制度を使いやすくせよ

社会福祉協議会の生活資金貸付制度の今年2月までの実績は、緊急小口資金が全市で44件、離職者支援資金はわずか6件です。本市独自の資金貸付事業の復活も視野に入れ、「もっと利用しやすいものへ改善を」と求めました。

敬老パスは有料化で交付率低下

敬老パスが有料化され5年。交付率は74%から65%に低下。山口議員は「高齢者の社会参加促進には交付率向上が不可欠」と市の認識をただしました。

無料低額診療事業をしている医療機関数

東京都 43
京都市 25
大阪市 13
名古屋市 2
全国 263

【無料低額診療】
社会福祉法第二条第三項第九号による「生計困難者のために無料または低額料金で診療を行う」事業。定款に定めたり、診療費の減免方法の明示、ソーシャルワーカーを配置し、無料の健康相談や生活相談を実施するなど、いくつかの要件がある。条件を満たせば、税制上(固定資産税など)の優遇措置を受けられる。

 

子どもの生活実態にきちんと寄り添え
スクールソーシャルワーカーの配置を

福祉と学校をつなぐ専門家が必要

昨年の議会で生活保護世帯への教材費の支給について指摘したら、昨年度12月に103件、41万円から、今年度12月末は延べ2070件、1042万円と約20倍になり、また100人もの保険証のない児童生徒がいたことが明らかになるなど、学校現場でも貧困の広がりが明らかになっています。

市では退職した校長先生が生徒指導相談員となって教育センターから訪問相談を行っていますが、福祉の分野に弱点があります。

山口議員は、虐待や育児放棄、経済的な困窮など深刻な問題を抱える家庭の保護者や子供に対し、専門的な見地で対応をするため「スクールソーシャルワーカーの配置を」を求めました。教育長は「相談員が福祉の視点がもてるよう質の向上に努めたい」と答えました。

【スクールソーシャルワーカー】
社会福祉の視点に立って、学校現場で児童・生徒の取り巻く環境を調整する役割を期待されている職種。アメリカでは100年の歴史があり、日本ではいくつかの自治体で独自に導入を試みてきた。文科省はやっと08年度から「調査研究」として全国に配置。