本会議(3月19日) 江上博之議員
2009年度一般会計予算案に対する反対討論
大企業・国にハッキリものをいい、生活改善型公共事業を
雇用の拡大や子育て支援などに力を
江上議員は2009年度予算に対し、妊婦健診助成の14回への拡大などは評価しつつ、「今の景気低迷にあえぐ市民生活を守る姿勢が見えない予算案だ」と次のような反対討論を行いました。
大企業にモノが言えない名古屋市政
世界的な景気後退を理由に、元気な名古屋の典型とされたトヨタは、昨年末で12兆円以上の内部留保がありながら、派遣切り・下請け切りの先頭に立っています。名古屋市はトヨタのミッドランドスクエア建設に18億円の補助金を出し、固定資産税なども減免しながら、派遣切りの大企業に対し、「県を通して経済団体に申し入れた」程度です。派遣切りを進める大企業の責任を求める姿勢がありません。
また、名古屋市から補助金を得た関係企業を持つヤマザキマザックの政治献金に対しても「適正」といって補助金の見直しを行おうとしません。こうした税金の使い方に市民は怒っています。
雇用確保どころか職員削減
景気回復のためには内需拡大であり、個人消費を拡大することです。ところが、国の緊急雇用創出事業等の範囲で雇用を600人余増やすにすぎません。その一方で、市の正規職員定員をさらに431名減らします。小中学校の教員を増やさず、全事業所の実態調査で中小企業の直接の声を聞き仕事おこしにつなげることも行ないません。
市民負担増とサービス切り捨て
予算案は市民生活の厳しさが増す中で市民負担を増やし、市民サービスを低下させようとしています。(1)学校給食費を、小学校で年3300円、中学校で平均5100円の値上げ、(2)国民健康保険料を今年度1人平均5600円の値上げに続き、さらに5200円値上げ、(3)市営住宅家賃は居住者の38%が値上げ、(4)職員定数削減のため、税金相談や事務を区役所から、新設する6か所の税務事務所・出張所に移すなどです。
子育て支援に逆行
子育て支援どころか、市の保育責任を放棄し、親や子どもたちをさらに苦しめる予算です。(1)千種台保育園、山田保育園の廃止。千種台は建て替えるとの約束を延期したあげくの廃園で認められません。(2)学童保育をなくそうとする放課後子どもプランモデル事業は16区での実施予定が8区にとどまり、市民の理解が得られていません。撤回すべきです。
大型事業の見直しもなし
名古屋城本丸御殿復元についてマスコミの調査でも凍結が4割、反対中止を含めると6割です。今、建設する時ではありません。陽子線がん治療施設は、健康保険も適用されず、一部の市民しか利用できない施設なのになぜ、市が建設・運営しなければならないのでしょうか。
ものづくり交流拠点構想や、東山動植物園再生の見直し、徳山ダム、および導水路関連事業も中止すべきです。
3つの柱で対案を出す日本共産党
日本共産党市議団は、「雇用の拡大、仕事おこし」「市民負担増、サービス低下を中止」「不要不急の事業見直し、議会改革」を中心にした予算組み替え案を示しました。ムダを削って教員の増員、ヘルパーの養成、耐震補強工事の拡大をはじめ、国保料引き下げ、子ども医療費無料化の拡大などを実施するものです。
国の言いなりでなく、市民の声を聞け
国がすすめる、強者が勝ち、弱者いじめの構造改革路線の言いなりで住民福祉を増進するという姿勢がありません。
日本共産党は、市民が主人公となる抜本的な名古屋市政の変革に全力を尽くすものです。