日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2009年4月6日発行

4月6日 臨時議会(山口きよあき議員)

公立保育園の廃止・民営化を問う住民投票条例の制定
13万署名を受け止め、住民投票で意思を問え

4月6日、13万人もの市民から提出された直接請求に基づき、「公立保育園廃止・民営化の是非を問う」住民投票条例の制定について審議する臨時議会が開会されました。松原市長は「民営化は議会制民主主義のルールに基づき審議決定されたことなので、住民投票は必要なし」との意見を付して提案。議場いっぱいに傍聴席を埋め尽した市民の注目の中、日本共産党の山口清明議員が本会議で住民投票条例の制定を求めて質疑しました。

13万人の署名の重みを受け止めよ

山口議員は、「名古屋の保育施策の柱の一つである公立保育園の廃園・民営化をすすめる計画に対して、その是非を住民投票で問うことを求めて約13万人もの署名が提出された。この重みをしっかりと受け止めるべきだ」として、「議会の結論と市民の思いに大きなギャップが生じた時には、あらためて市民の意思を住民投票で問うのが、民主主義ではないか」と市長にただしました。市長は「市民の意見も踏まえ、議会で十分議論して、結論が出されていること」として、住民投票は必要ないとの考えを繰り返しました。

山口議員は、「国会では鳩山総務大臣が、『三位一体改革』のしわ寄せで自治体の保育予算が削減され、全国で公立保育所の削減がすすんでいる傾向について、『非常に危険なものを感じる』とかなり踏み込んだ答弁をしている。名古屋市が自らの責任で保育園の予算を確保し、国に対して、公立保育園への交付金復活を強く迫るのが市長の責任だ」と指摘しました。

公立を減らすのではなく待機児解消を

名古屋市の待機児童数は昨年4月で428人と増加傾向にあり、ベビーホテルなど無認可の保育施設に預けられている子どもも数えれば、保育園に入りたくても入れない子どもは2000人以上です。

山口議員は「国の交付金がなくなったから民間の力を借りて民営化するというが、引き受ける社会福祉法人は、自己資金を用意し、丁寧な引継ぎのために相当の人材とエネルギーを費やさなければならない。民間に公立保育所の肩代わりをさせるのではなく、待機児童を解消するための保育園づくりに力を注いでもらうべきではないか」と求めました。

市の計画で公立の役割が果たせるのか

山口議員は「公立保育園にはセーフティネットの役割があるというが、中学校110校よりも少ない約80のエリアに1つずつで、その役割が果たせるのか」「子どもの貧困がいま大きな社会問題。一人親家庭や派遣など不安定就労家庭の子育て支援には、経済的な心配がなく、経験豊かな保育士がたくさんいる公立保育園が、身近な地域に存在してこそ有効に機能する」として、現在123カ園ある公立保育園の削減は、公立保育園の役割を投げ捨てることになると指摘しました。

子ども青少年局長は「民間移管は、定員増につながる。待機児解消は総合的に推進する」「公立保育所をおおむね1〜2中学校区ごとに配置し、公立・民間保育所が協働、連携して地域の子育て支援に責任を持ち対応していく」と答弁しました。

山口議員は「市は待機児についての認識が甘すぎる」「議会の結論と市民の意思が離れているから、住民投票を求めている。保育施策の根幹にかかわることについて、市民の意思を改めて問うことが必要だ」と厳しく指摘しました。