河村市長が徳山ダム導水路事業から撤退を表明
党と市民の運動が政治を動かす
日本共産党名古屋市議団のわしの恵子団長は、河村市長の「撤退表明」を受けて談話を発表しました。
河村市長の徳山ダム導水路事業からの撤退表明について
2009年5月18日
日本共産党名古屋市会議員団 団長 わしの恵子
河村たかし市長が徳山ダム導水路事業から撤退を表明し、水資源機構への分担金支払いを差し止め、早々に討論会を開き市民の意見を聞いて決定するとしたことは、党や市民の運動が政治を動かした大きな成果です。
日本共産党名古屋市会議員団は同事業について、水余りの状況にあることや環境への影響から反対し、ムダな大型公共事業であるとして一貫して中止・撤退を求めてきました。また、先の名古屋市長選挙でも、日本共産党が推薦した太田よしろう氏はマニフェストで中止を掲げ「負担金支出はやめます」と訴えてきました。
党市議団は今後も中止・撤退に向けて、市民のみなさんとともに運動を進め、その実現のために全力をあげます。
市議団のこれまでの論戦から
水は有り余っている。中止を
2007年9月議会 さとう典生議員質問
とにかく名古屋の水は一度も断水したことがありません。渇水に備えて莫大な費用をかけてダムを造らなくても、市民の協力で節水すれば済むことです。
ところで、これまで水需要予測の件で当局は、渇水になっても1日あたり過去最大給水量124万トンを確保するため、徳山ダムをふくめて193万トンの水利権が必要と説明してきたと思います。
しかし、実際には「渇水の時は、その直近の最大給水量を基準にして」取水制限を行うことになっているそうです。最近では110万トンが最大ですからそこから取水制限をされるのであれば、水利権の量そのものはあまり関係なくなるのではないでしょうか。
そうであるならば、借金をしてダムを作ったとしても、何の役にも立たない、そもそも話の前提が全部崩れることになるわけです。だったら、なおのこと導水路を作る必要性は全くないといわざるを得ません。
2015年 予測 |
2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 |
---|---|---|---|---|
124万 | 104.8万 | 102.3万 | 102.5万 | 101万 |
環境面でも問題有り
2008年6月議会 うめはら紀美子議員質問
08年5月22日、市議団は徳山ダム・導水路を視察
必要のない徳山ダムの水を揖斐川の上流において導水管を敷設して、長良川と木曽川に放流するとしています。加えて長良川の下流部から木曽川にも導水路を作り、名古屋市は長良川の水利権の活用を図ろうとしています。
この放流はアユなどに影響を与えると指摘する学者がいます。ダムから放流された水は冷たく、濁っています。水温の違う水はなかなか混ざらず、下流まで2本の流れになることが多いと言われています。低水温は餌の食べ具合を悪くし、濁った水は餌の藻類の成長を妨げると言われています。さらに揖斐川、長良川、木曽川では、遺伝子レベルの異なった生物が生息しています。それにもかかわらず環境影響評価を行わないとは、生物多様性の保全に全く逆行しています。導水路計画は水質悪化が懸念され生態系に影響を及ぼすおそれがあり、中止すべきと考えます。