日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2009年5月29日発行

市職員期末勤勉手当
江上議員への答弁に矛盾、議会が河村市長に厳重注意
人事委員会意見を「尊重する」と提案し
「調査に疑問」と答弁

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「人事委」以上の削減を示唆する市長

5月28日の急施議会で河村たかし市長は、市職員の期末・勤勉手当を0.2月削減する条例案について、「人事委員会から受けた意見を尊重しつつ、期末手当及び勤勉手当を削減する」と提案する一方で、「人事委員会の調査は民間の給与を反映しているのか疑問。どこに調べに行ったか調査中」「民間はもっとひどい」と答弁し、いっそうの削減を求める姿勢を見せ、江上博之議員の質問にまともに答えませんでした。

本会議後の総務環境委員会では、くれまつ順子議員が、「本会議での市長答弁は市の提案と違うのか」「市長は市の提案より、もっと下げるというのか」とただし、総務局は「元々の市長提案どおり」と答え、市長の答弁に齟齬があったことが確認されました。29日の本会議では議会から市長に厳重注意したことが報告され、条例案は全会一致で採択されました。

人事委意見は守るべき最低の歯止め

日本共産党は、手当削減の問題点をただしたうえで人事委員会意見を尊重して条例案には賛成しました。

今回の件を受けて、江上博之議員は、「市長が提案する内容と全く異なる答弁を市長自ら行うとは論外。身勝手な答弁で決められた質問時間もオーバーした。この機会に議会運営についてもより民主的にしていくよう見直し、市長にもルールを守るように厳しく求めていく。市長はマニフェストで市職員人件費10%削減を掲げているが、人事委員会意見以上に削減することは反対だ」と述べています。

期末勤勉手当の削減に関する
江上博之議員の質問(要旨)

健康福祉局長に申し入れる党市議団

一般職の職員手当削減について質問します。

第一に、人事委員会の意見は公務員の生活を守る立場で最低限尊重すべきことです。しかし、今回の調査には問題があります。問題点の一つめは、4月に調査に入り、人事委員会の意見も「過半数の事業所が未定の段階」であると認めており民間の実態を反映したものか疑問があることです。二つ目に、ボーナス支給額について未定が過半数ということは、中小企業の賃金交渉の最中であるということであり、市職員の手当削減は、民間給与そのものを引き下げることにもつながりかねないことです。そこで、人事委員会として、なぜ、この時期にこのような問題点のある意見を出したのか、理由を聞きます。

今回の異例な意見は、一時金カットを与党が、選挙を前に、「公務員をたたいた」とアピールするためといわれ、それを人事院や人事委員会が追随したものではないかと言われています。市長は、このような認識をお持ちかお聞きします。

第二に、景気回復において、今回の措置の与える影響について市長にお聞きします。1月から3月の国内総生産速報値で、物価変動の影響を除いた実質のGDPは年率換算値で、15.2%減であることが明らかとなりました。愛知労働局が5月1日に発表した県内雇用情勢によれば、昨年10月から今年3月までに県内で雇い止めにあった非正規労働者は3万1千人にのぼり、6月までにさらに3500人増える計画といいます。この不況で、名古屋市でも市民税収入が、新年度予算で、昨年度比約300億円減収です。そんな時、民間が低いから公務員も削減、さらに民間が削減という悪循環を続けたら景気は、ますます悪くなるのではないでしょうか。市税収入もますます下がります。不況の原因は、外需頼みで、内需をないがしろにしてきたからではなかったでしょうか。市長もおっしゃっているように、今、市政に必要なことは、「日本一早く不況から脱出し、経済復興する」ことであり、そのために、いかに働く人たちの個人消費を増やし、景気を回復するかです。

そこで、市長に質問します。今回のボーナス削減が、民間給与の削減につながり、さらに、景気回復に逆行するという懸念をわたくしはもちますが、そのような認識を市長はお持ちでしょうか。