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2009年6月23日発行

名古屋港管理組合議会 6月10日 一般質問 山口清明議員

高潮防潮堤の地震対策を放置するな
国交省の行った診断結果をなぜ公表しないのか


パネルを示して質問する山口議員。左は神田知事

当日の会場の様子
国土交通省が示した耐震診断結果。
上の図が知多堤の床掘-15mにレベル2の複合波が来たときに2.3mも堤防ガ沈む様子を示したもの。下の表がそれを数値にしたもの。
(画像をクリックすると拡大されます)

名古屋港には、伊勢湾台風による高潮被害を踏まえ、1964年、海面からの高さ6.5m、全長7.6kmの高潮防波堤が築かれました。

今年は伊勢湾台風から50年です。山口議員は繰り返し「防波堤は老朽化が進み、かつ液状化の恐れが大きい地盤にあり、大規模地震で沈下するのではないか」と指摘してきました。しかし名港管理組合は「国が管理する施設であり、国がいま調査中」という答弁が繰り返されてきました。

液状化で最大2.7m沈下するという診断結果が出ていた

6月に山口議員が国土交通省に話を聞くと、高潮防波堤耐震強度診断のデータはすでに出ており、「知多半島側の防波堤(置換砂部)で液状化が予想される」と判定され、FLIP(液状化解析プログラム)で防波堤の沈下量を試算した結果、「レベル1(発生確率が高い地震動)は0.1mから0.9m沈み込む、レベル2(想定される最大規模、東海・東南海・南海地震の複合波など)は0.3mから2.7mも沈下が予測される」との結果でした。高さ6.5mの防波堤が3m近く沈み込むのです。

山口議員はこの結果を踏まえ「地震の後で修復ができないまま大型の台風が直撃したらどうなるのか、高潮被害をどう防ぐのか、真剣な検討を」と求めました。

FLIP(液状化解析プログラム)による防潮堤断面の変位照査結果

検討断面 知多堤 鍋田堤
サンド
ドレーン
床掘
-15m
床掘
-13m
床掘
-11m
土砂堤 方塊堤
残留鉛直変位(m) レベル1
‐名古屋港
0.85 0.68 0.57 0.32 0.14 0.55
レベル2
(複合波)
2.66 2.32 2.31 1.04 0.41 0.88
レベル2
(八戸-養老波)
2.58 2.74 - 1.11 0.31 1.20

レベル1:名古屋港で防潮堤の設計供用期間(50年)内に発生する可能性が高い地震動。
レベル2:想定される地震動で最大規模のもの。東南海・東海・南海地震の複合波。

2009年3月5日に説明された。協議を急ぎたい

この調査は、2005、2006年度に行われ、2008年度にデータがまとまり、2009年3月5日に中部地方整備局名古屋港湾事務所から説明がありました。しかし、3月議会には何の報告もなく、今日まで公表もされていません。山口議員はこの姿勢を厳しく批判しました。神田知事(管理者)は「詳細な確認が必要と判断し、私に報告がなかったのはご指摘の通り。協議を急ぎたい」と答えました。

 

海上コンテナの安全な輸送体制を

コンテナを危険なまま港から出さない

5月に港区で走行中の大型トレーラーが横転し、隣車線の乗用車を押しつぶした大事故に関連し、海上コンテナの横転事故が繰り返されている事態を踏まえ、安全チェック体制の確立、特にロック確認や特殊車両通行許可書など、ゲートでチェックする体制や、トレーラーの運転手にコンテナの中身についての情報を知らせると共に、無理な運行をさせないよう、ドライバーの働くルールを確立する指導などについてただし、危険な状態のコンテナトレーラーは、港から一台も行かせないとの強い決意をもって取り組めと要求しました。