6月定例会・個人質問(6月26日)さとう典生議員
徳山ダム水利権返上、導水路事業の中止を
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さとう典生議員は、木曽川水系連絡導水路事業および市営永金荘の建て替え計画について質問しました。
過大な水需要予測を市長も認める
名古屋市は2015年に1日最大給水量は124万トンになるとの水需要予測を行い、徳山ダムや木曽川水系連絡導水路が必要だとしています。しかし、実績は表のように伸びていません。さとう議員は、「今後も環境配慮型社会や人口減少で、水需要は増えない。市の水利権は1日当たり給水可能量は176万トンもあり、水源利用率は47.3%と水余りは明瞭だ」と述べて市長の認識を問いました。
河村市長は、「水需要予測は低く修正してきたがまだ甘い。水源に会わせて予測をつくったという学者もいる」などと答えました。
徳山ダム水利権は維持費かかり返上を
さとう議員は、「94年の渇水も名古屋市は農業用水の協力を得て木曽川の水だけで乗り切った。ところが、国は『木曽川に雨が降る割合が減ったので木曽川水系のダムの利水安全度が低下した。木曽川の供給は118.4万トンしかなく、需要予測の124万トンに不足する』といって徳山ダムから給水するとした。しかし実績は101万トン(07年)だし、渇水時の取水制限はその時期の実績から10%とか20%カットすることになるので、徳山ダムを入れた184万7千トンもの給水能力は役に立たない」と批判しました。そして、「ダムの建設費は払うとしても、水利権があると維持費の負担があり徳山ダムの水利権は放棄を」と迫りました。
市長は、「ダムの建設費は払うので水利権はもつ」と答えました。
市の1日最大給水量予測 (2015年度) |
2000年度実績 | 2006年度実績 | 2007年度実績 |
---|---|---|---|
124万トン | 112万トン | 102.5万トン | 101万トン |
導水路事業そのものの中止を
さとう議員は、「導水路事業に住民訴訟が起き、環境用水という国の考え方にも、木曽川のシジミは守るが長良川のシジミは全滅して良かったのか、と批判されている。3県と国に導水路事業の中止を働きかけを」と質問しました。
市長は、「市としては説得ではなく、ひたすら説明している」と述べるにとどまりました。
さとう議員は、「水余りなのにダムを造るのは、600兆円の公共事業を米国と約束し、政官財の癒着があるから。ダム建設の見直しを」と主張。
市長は「水余りは討論会で市民に理解が深まるようにする。渇水はみんなで助け合い30%くらい節水して、農業用水も1〜2%援助してもらい、水の利用を全体で考える流れが日本に広がるようにするのがよい」などと答えました。
永金荘建て替え
建築協定結び4階建てに
さとう議員は、昭和区の市営永金荘建て替え問題について、昨年11月議会に続いて取り上げました。
市は永金荘建て替えを全戸南向けにするために6階建2棟41戸で計画しています。しかし、近隣の丸屋町と滝子町では高さ12m4階建てとする建築協定が結ばれており、住民は永金荘も4階建てにと具体的な設計案を市に提案しています。市は4階建てでは南向けで41戸確保できないとして拒否しています。
さとう議員は、「市は建築協定を結んで豊かなまちづくりをすすめるという一方で、それを無視するやり方をしている。たいへんな矛盾であり、市が建築協定を認めないようなら、民間業者が守るはずがない。市の建築行政の権威失墜だ」と計画見直しを求めました。
市長は、「建築協定はまだない。建て替え事業の推進も重要であり、現行計画で行く」と答えました。
さとう議員は、「民主主義発祥の地というならもう一度住民と話し合いを」と質問を結びました。