日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2009年8月8日発行

愛知県後期高齢者医療広域連合議会(8月7日)田口一登議員

住民運動と論戦で 資格証明書発行は1枚もなし
窓口負担の減免では減収や入院など条件拡大の検討へ

愛知県後期高齢者医療広域連合議会第2回定例会は、09年度の補正予算と08年度の決算認定、請願の審査などが行われ、日本共産党からは田口一登名古屋市議が一般質問と請願の賛成討論を行いました。

資格証明書と短期保険証は1枚も出さず

資格証明書問題について、田口質問で、昨年7月から今年3月末までの状況では保険料を一度も払っていない滞納者が1,210名いること、今年7月末時点において資格証明書も短期保険証も交付実績はないこと、また、市町村から広域連合への「資格証明書交付候補者の通知」もないことがわかりました。

田口議員は「今後も交付実績ゼロを望む。厚労省は1月の事務連絡で、資格証明書交付を検討する事案はあらかじめ国に報告を求めた。わが党の小池晃参院議員が『これは、後期高齢者の保険証とりあげはするなとの自治体へのメッセージか』と厚労相に質問し、『そうだ。杓子定規に資格証明書を出して冷たい扱いをしてはいけない』と答弁させている。連合長はどう受け止めるか」、と質しました。

佐原光一連合長(豊橋市長)は「国は資格証明書交付に問題がないかの確認や状況把握を求めている。資格証明書は支払い能力があり、特段の事由もなく納付しない真に悪質な滞納者に交付する。きめ細かな納付相談で高齢者の医療の機会が損なわれることのないよう運用する」と答えるにとどまりました。

窓口負担の減免規定を拡大「検討する」

医療費の窓口負担(一部負担金)の減免について、田口議員は「生活が苦しくなり、医療費の支払いが困難になった場合には、一部負担金の減額、免除または徴収猶予が受けられる。厚労省通知では、災害により住宅や家財に著しい損害を受けた場合の他、農作物の不作、事業の休廃止や失業などにより著しく収入が減少した場合、世帯主が死亡したり、重大な障害を受けたり、長期間入院した場合とされている。ところが愛知県の場合は災害により著しい損害を受けた場合に限られている」として、減免規定の拡充を求めました。

答弁では「制度発足時に県内市町村を調べたところ災害による減免が主だったが、全国では36県(広域連合)で国通知の4項目を適用している」として愛知県広域連合でも適用を検討することを表明しました。

健診事業に財政支援求め県へ要望書提出

全国で11都道府県が広域連合の健診事業に対して補助を実施しています。ところが愛知県は実施しておらず、2月定例会でも田口議員は要望していました。今議会では田口議員の質問に「国も都道府県に財政支援を要請しており、要望書を7月31日に愛知県知事に提出した」と答弁がありました。

被保険者の声反映させる運営協議会設置を

後期高齢者の代表も含む「運営協議会」が全国では20以上の広域連合でつくられていますが、愛知県では常設の運営協議会を設けず、「懇談会」を開催するにとどめてきました。

田口議員の質問に、「懇談会」開催実績は2007年10月に高齢者10名と医療関係者、保険者団体、学識経験者の代表7名の合計17名で開催した一度だけで、今年度は懇談会を9月に開催すると答弁。

田口議員は「制度発足以降は様々な混乱があったにも関わらず、一度も行われなかったのは理解できない。運営協議会を常設するべきだ」と強く主張しました。

請願は不採択

田口議員が紹介議員となった愛知県社会保障推進協議会の請願はいずれも不採択になりました。

また、会場(KKRホテル)では傍聴席が60用意され、「30分前に30名を超しても抽選はない」と、いつものメルパルクと異なる対応でした。

議案・請願への態度(下記以外は全会一致可決)

認定第2号 平成20年度特別会計決算 田口一登議員のみ反対
請願第2号 後期高齢者医療制度の改善を求める 田口一登議員のみ賛成
請願第3号 愛知県に健康診査事業の補助を要請する 田口一登議員のみ賛成
請願第4号 運営協議会の設置を求める 田口一登、加藤芳文議員(三好町)が賛成