日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2009年9月15日発行

「減税」名目の福祉カットにノー
日本共産党市政懇談会で怒りの声次々

河村たかし市長が公約にかかげる「市民税10%減税」の財源として、福祉や市民サービスを大幅に削減する動きが急浮上しています。日本共産党市議団が11日に開いた市政懇談会では、参加した市民から、「減税名目の福祉切り捨ては許せない」「民意を問うべきだ」などの怒りの声が続出しました。

予算238億円削減
福祉・子育て分野も対象

局別の予算削減額(億円)
健康福祉局 62.8
子ども青少年局 41.2
緑政土木局 38.0
教育委員会 36.9
環境局 19.4
市民経済局 11.6
住宅都市局 9.7
消防局 5.9
総務局 5.5
財政局 5.2
市長室 1.5
合計 237.7

名古屋市は、2日に開かれた市議会財政福祉委員会で、収支不足と「10%減税」の穴埋めのため、人件費190億円のほか238億円の予算を削減する方針を明らかにしました。

市によると、来年度の収支不足は約260億円。「10%減税」を実施するとさらに約240億円不足し、収支不足は合わせて約500億円に膨らむといいます。市は、来年度予算で減税分に相当する238億円を削減するために、生活保護や医療費助成などの扶助費を15%、物件費や投資的経費を30%一律カットする削減額を各局に示しました(右表)。新聞報道によると、市の内部からは「市民サービスに影響がないようにしたいが、削減額が大きすぎて難しい」(健康福祉局)、「(中学卒業までの外来医療費無料化は)とてもできそうにない」(子ども青少年局)という声があがっています。

福祉まもる大運動を

市政懇談会では、「現在の補助金でも利用料の負担が重くて退所に追い込まれる家庭が少なくないのに、削減されたら学童保育所がつぶれてしまう」(学童保育関係者)、「われわれ非課税世帯には減税の恩恵がない。福祉のカットで負担だけ増えるのは困る」(年金生活者)、「大至急、市民に知らせ、議論を巻き起こし、各分野で大運動を起こす必要がある」(愛知県社会保障推進協議会事務局長)などの声が相次ぎました。

一律カット方針撤回を

「市民税10%減税」の財源確保を口実とする予算の一律大幅カット方針は、福祉や市民サービスを大後退させるものであり、日本共産党市議団は、その撤回を求めてがんばります。市民税減税というのなら、「10%」にこだわらず、大企業・大金持ち減税にならない手立てを講じ、ムダな大型開発の中止・見直しなどで財源を生み出すべきです。

経費圧縮の考え方

法定事業・債務負担行為以外の経常経費・経常化している政策経費で238億円削減(人件費以外)

扶助費、維持補修費、貸付金…△15%
投資的経費、物件費、補助費等…△30%

<扶助費(15%カット)対象事業例示>
子ども医療費助成・保育料の負担軽減・私立幼稚園授業料補助

<補助費(30%カット)対象事業例示>
留守家庭児童健全育成事業補助・小中学校の標準運営費、光熱水費