日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2009年10月17日発行

10月16日 総務環境委員会
梅原紀美子副委員長 くれまつ順子議員

地域委員会
各区1地域の来年度モデル実施は安易・拙速
膝づめの説明会で住民合意を図るべき

10月16日の総務環境委員会では、河村市長が来年度モデル実施をめざす「地域委員会」について所管事務調査が行われました。

地域団体の課題を明確にし必要性を示せ

河村市長の「二大公約」の一つである地域委員会は、住民自らが予算の使い道を決める新しい住民自治の仕組みとして、提案されています。しかし、区政協力委員会などからは「学区連絡協議会で十分」との意見や反発があり、地域団体の理解が得られるまでモデル実施するなとの請願も提出されています。

くれまつ議員は「学区連絡協議会など既存の地域組織について、具体的に何が問題点で、地域委員会をつくることでどのように解決できるのか」とただすと、当局は「町内会への加入率が低く、担い手が不足している」などと答えました。くれまつ議員は「学区連協で十分という意見に対して、地域委員会の必要性を具体的に示せなければ、市民は納得しない」と述べ、必要性がわかる資料を要求しました。

これには他党議員も「いままでの総括が必要」(民主)、「必要性が不明確」(公明)など同様の意見が出されました。

「まずモデル」ではなく民主的プロセスを

現在、当局は、小学校区または中学校区単位で、1区1地域のモデル実施を検討しており、地域委員会が使える予算も500万円から1500万円と、当初いわれていた額からは大幅に減少されています。

くれまつ議員は、「モデルだから地域単位もミックスで、予算も少ないのか。本格実施の際はどうなるのか」とただすと、当局は「モデルを検証しながら検討する」と答えました。

くれまつ議員は「とりあえずモデル実施で、意欲的な学区にやってもらうというのは安易すぎる。地域委員会の案について学区ごとの説明会を市が開き、膝づめの議論で合意をつくり、段階的にすすめていくべき。意見交換のプロセスそのものが、民主主義発祥にふさわしい」と主張しました。

地域委員会モデル実施の概要

地域の数・範囲 1区1地域を目安に小学校又は中学校区単位
委員の選任方法 公募・推薦併用型(下図)
委員の定数 地域人口 5,000人未満 7人(うち公募4人)
5,000〜15,000人 9人(うち公募5人)
15,000人以上 11人(うち公募6人)
地域予算の額 地域人口 5,000人未満 500万円
5,000〜15,000人 1000万円
15,000人以上 1500万円

 

教育委員「不同意」の人物を経営アドバイザーにするな
市長に申し入れ

10月14日、市長は、教育委員の選任に議会が不同意とした人物を、名古屋市経営アドバイザーに選任する意向であると報じられました。

大手塾経営者は、公教育に営利主義と競争主義を持ち込む恐れがあり、教育委員にも経営アドバイザーにもふさわしくありません。

また、経営アドバイザーは市長の権限に属する事務がその活動の対象ですが、市長には一定の独立性を持った行政委員会である教育委員会を指揮監督する権限はないとされています。

以上から、10月15日、党市議団は「経営アドバイザーに、議会の同意を得られず教育委員に任命できなかった人物の選任は行わないこと」と、市長に申し入れました。