日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2009年11月11日発行

11月10日 総務環境委員会
梅原紀美子副委員長 くれまつ順子議員

地域委員会
マニフェスト押し付けに強い反対の声

11月10日の総務環境委員会では、「地域委員会」について所管事務調査と関連する請願審査が行われました。

地域に丸投げではなく公的責任を果たせ

当局からは、前回10月の所管事務調査で議員から要求のあった資料が提出され、地域委員会と学区連絡協議会との違いについて説明されました(右表)。くれまつ議員は「住民が地域のことを自ら決定するしくみとして、予算や権限を地域に与えることは住民自治を発展させるものとして評価できる」としつつ、学区連絡協議会や区政協力委員の方から不安や批判の声があがっていることを指摘し、「河村市長がいろいろな場で減税と地域委員会を一体的にすすめるといい、福祉は地域委員会でやるなどといっていることが問題」と、河村流の「福祉の構造改革論」を批判。「地域予算の対象から除外されるものに、『全市的な施策、計画、基準に沿って決定すべきもの』とあるが、市がすすめてきた福祉施策は、これまで通り、行政がきちんと責任をもってすすめるべき」と主張し、当局も「その通り」と認めました。

待機児解消で地域の人がアパートで保育?

しかし河村市長は、地域委員会で、待機児童対策としてアパートの空き部屋で地域の人が見るのが安全で福祉のためになる、という趣旨のことを繰り返し話しています。くれまつ議員は、「待機児童対策を行政がきちんと責任をもってすすめる。そのうえで、地域で子育てを応援する場所を地域のみなさんの取り組みでつくるということならいいが、責任もなくアパートで保育をするというような安易な発言は問題だ」と厳しく追及。当局は「市長の思いがでてしまったものだと思うが…」などと苦しい弁明を行いました。

マニフェスト絶対の態度を改めよ

くれまつ議員は「市長が、マニフェスト絶対という立場で、市民や議会に押し付ける態度は、『日本民主主義発祥の地ナゴヤ』という看板にふさわしくない。新しい住民自治のしくみを構築するのであれば、住民合意のもとですすめるべきで、マニフェスト絶対という態度はあらためるべき」と主張しました。

他党議員からは、これまで区政協力委員が果たしてきた役割についての評価や、公選にする必要性などについて質問がだされました。

区政協からの請願は「保留」に

委員会の後半では、区政協力委員会議長協議会が提出した「地域団体等の理解が得られるまではモデル地域の公募を始めないこと」との請願についての審査が行われました。くれまつ議員は「十分理解を深める話あいをおこなって検討をすすめるべきだという請願者の思いはよくわかる。市長の上からの押し付けでモデル実施を拙速に行うことは反対だが、市長と区政協力委員会の対立の構図ではなく、徹底した話あいが必要」と引き続きの審査を求めました。

正副委員長からの提案に請願は保留となりました。

地域委員会(仮称)と学区連絡協議会の概要

地域委員会(仮称) 学区連絡協議会
要綱に基づいて設置。市長の付属機関に類する機関・役割は、地域内分権による住民の行政への参画。地域課題解決に向けた合意形成(意思決定機関)。実施は行政、学区連絡協議会、NPO、企業等 市の規約に基づく、学区内地域団体等による任意団体・役割は、学区連絡協議会構成団体間の連携。地域課題解決のための活動実践(実施機関)。
会議運営は、住民のほか、地域を構成する団体の参加のもと、投票で選ばれた委員が課題解決策を公開の場で議論し、地域予算の使い途を決定 会議運営は、区政協力委員を含む各種地域団体等の代表者が活動内容を議論し決定
取り扱う課題は、児童虐待、不登校、環境問題、商店街振興等 取り扱う課題は、町を美しくする運動、交通安全市民運動、防災訓練、運動会等