日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2009年12月2日発行

12月9日 本会議 反対討論 わしの恵子議員

市長優位の体制つくる民主主義破壊の「市政改革ナゴヤ基本条例」案
民・自・公が継続審査に
日本共産党は否決を主張

河村市長が提案した「住民分権を確立するための市政改革ナゴヤ基本条例」案は、市民税減税、地域委員会、議会改革という性格も内容も違うものを「住民分権の3本柱」と位置づけ一括して提案しているもので、新自由主義的な構造改革を推し進めるため、議会の権限を弱め市長優位の体制をつくろうとする危険な条例案です。

11月議会で最大の問題となったこの条例案について、12月8日の総務環境委員会で、民主・自民・公明から継続審査の提案がありました。日本共産党は「審議は尽くされた」として採決に付したうえで否決すべきと主張しましたが、3党の多数意見で継続審査となりました。

9日の本会議では、継続審査の提案に対して、日本共産党のわしの恵子議員が継続審査に反対の立場で討論しました。以下がその全文です。

「住民分権を確立するための市政改革ナゴヤ基本条例」案
継続審査に反対する討論 わしの恵子議員

ただいま「市政改革ナゴヤ基本条例」案について、継続審査とすべきとの報告がありました。その理由は、二元代表制のもと、提案そのものに疑義がある、基本理念の具体例など明確な考え方が示されていない、議会が「議会基本条例制定研究会」を立ち上げ独自で取り組み始めたと、説明されましたが、これらは、日本共産党市議団も指摘してきたとおりですが、そうであればむしろきっぱり否決すべきです。

第1に、首長と議会は対等平等で、議会の役割は市政をチェックすることです。ところがこの条例は、議会の権限を縮小し、いっそう市長優位の体制に変えるものです。河村市長の言いなりの「翼賛議会」をつくる、まさに民主主義破壊の暴挙です。

第2に、「政治の職業化」とは何か、誰にどんな権限が「集権化」しているのか、どのように「住民の行政や政治への参画の意欲や機会を阻んでいる」のか、市長は、事実で示すことができませんでした。条例は市政と市民にたいし拘束力をもつものであり、その「基本理念」に、市長の特異な政治観を盛り込むのは極めて危険です。

第3に、議会改革は、議会が自律的に取り組むべき課題です。日本共産党はこれまでも、議員報酬の削減や政務調査費の全面公開、費用弁償の廃止を求めるなど、いわゆる議員特権の廃止を提案し、自ら実践してきました。そして、議会改革は、市民に開かれた公開の場で行うことを一貫して求めつづけ、「議会基本条例制定研究会」は、原則公開となったものです。

以上のことから、「市政改革ナゴヤ基本条例」案について、すでに審議は尽くされており、わが党は採択に付して、否決すべきと主張して討論を終わります。