日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2009年12月10日発行

12月9日 本会議 山口清明議員 請願採択の反対討論

陽子線治療施設の整備は冷静に検討を

山口清明議員は9日の本会議で平成21年請願第17号「陽子線治療施設の整備の推進を求める件」について討論を行いました。

市長も再検討を表明

河村市長は、陽子線がん治療施設の職員体制や患者数などが当初の試算と大きく異なり、新たな市税投入の恐れもあるので再検討すると表明しました。この判断は当然です。

がん対策の切り札ではない

陽子線がん治療は、苦しまないがん治療として注目されていますが、患者がいちばん多い胃がんなどには使えず、がん患者の6.5%が対象です。患者負担が300万円にもなる問題は「所得の高低により治療をあきらめる人が生まれ、医療の格差が広がる」と指摘されています。陽子線治療は、がん対策の切り札ではなく、予防や検診も含むがん対策全体の中に正確に位置づけるべきです。

市単独の設置は不合理

東海3県など広域から患者を集める施設なら、それにふさわしい設置主体があるはずです。がん対策基本法に基づくがん対策推進計画は都道府県が策定します。愛知県の計画では「がん医療に資する研究の推進」の項目に「粒子線を利用した治療施設の整備」とあります。ここをしっかり追求すべきです。

治療を必要とする患者への支援を

この治療を必要とする患者市民の存在を忘れてはいけません。誰でもどこでもお金の心配なく最適の治療を受けることはすべての患者の権利です。

財政よりも命が大切と言うのなら、まずこの治療を必要とする市民に治療費や交通費を支援し、国へは計画的な施設配置と負担軽減を強く働きかけるべきです。

本市単独での陽子線がん治療施設の整備は、再度、冷静に検討すべきです。