12月18日 12月臨時会・議案質議 くれまつ順子議員
清掃工場の談合で38億円の損害賠償請求裁判
談合の指摘がありながら契約したことの反省を
猪子石工場と五条川工場の契約をめぐる談合事件に関わって名古屋市が請求している損害賠償の額(38億8500万円)について、一審の判決(約19億円)では不服として控訴するものです。
問題の談合事件は、1994年6年から1998年までの4年半にわたって、タクマ、三菱重工業、川崎重工業、日本鋼管、日立造船の5社が、全国各地で行われていたごみ焼却炉のストーカ炉の入札の大部分で談合を繰り返していたとして、1999年8月に公正取引委員会が排除勧告をしたものです。
そのうち名古屋市にかかわるのが猪子石工場と五条川工場でいずれも落札率100%で落札され、契約金額は合計で約400億円です。
契約に唯一反対した日本共産党
1998年の五条川工場の契約は、公正取引委員会が契約前の9月17日に5社に立ち入り調査を行っていたのに名古屋市は、業者から事情聴取をしただけで、契約議案を9月定例会に提出しました。日本共産党は、「談合の疑いで公正取引委員会の調査が行われているときに契約するな」と反対しました。
くれまつ議員は「このとき、契約を保留し、しっかりと独自調査を行っていれば、不正な入札を防ぐことができたのではないか。談合をみのがしてきた行政の責任を明らかにしなければ、損害賠償請求する前提がない」と指摘し、他の業者への受注機会をひろげ、入札制度の改善をするなどの再発防止についてただしました。
局長は「規定の手続きで適切に入札を行った。その後、公正取引委員会の排除勧告及び審決が出されたのを受け、訴訟の提起をおこない、この度地裁の判決が出された。損害賠償額の認定に不服があり、控訴したい」と答えました。
訴訟内容
猪子石工場 | 五条川工場 | |
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契約日 | 1997年7月3日 | 1998年10月7日 |
契約金額 | 182億7000万円 | 205億8000万円 |
落札率 | 100% | 100% |
請求額(10%) | 18億2700万円 | 20億5800万円 |
請求先 | タクマ | 三菱重工 |
猪子石工場の入札額
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五条川工場の入札額
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焼却炉談合で排除勧告 大手5社に公取委
自治体など発注のごみ焼却炉の入札をめぐり、日立造船(大阪市)、NKK(東京)、タクマ(大阪市)、三菱重工業(東京)、川崎重工業(神戸市)のプラントメーカー大手五社が談合を繰り返していたとして、公正取引委員会は13日、独占禁止法違反(不当な取引制限)で排除勧告した。5社は1979年12月にも、ごみ焼却炉の入札をめぐって公取委の警告を受けており、業界の談合体質が批判を受けそうだ。
5社は階段状の炉にごみを落としながら焼却するストーカ炉のメーカー。94−98年度の全国の大型ストーカ炉の発注は計92件。うち71件を5社が受注し、契約総額は約1兆300億円に上った。公取委はその大部分で、談合が行われていたとみている。
調べによると、日立造船など5社は、98年に入札が行われた東京都の中央地区清掃工場など、94年4月以降、各自治体のストーカ炉建設で指名競争入札などの際、事前に各社の部課長クラスが会合を開き、受注予定者や受注価格を決めるなどしていた。
5社以外にも入札で指名を受けた企業があった場合、5社間で決めた受注予定者などを伝えて談合への協力を求めていたという。
この結果、94−98年度では日立造船が19件、NKKが13件、タクマが13件、三菱重工業が14件、川崎重工業が12件をそれぞれ受注した。(中日新聞 1999.08.14 朝刊)