12月24日 土木交通委員会 わしの恵子議員
市営交通事業経営健全化計画(素案)(2009〜2016)
生涯賃金20%カット=4000万円削減
職員を犠牲にしての再建計画でいいのか
地下鉄各駅などに置かれている経営健全化計画(素案)のパンフレット。1月25日まで市民意見を募集しています。
12月24日の土木交通委員会に「市営交通事業経営健全化計画(素案)」について説明があり、市バスと地下鉄の経営状況や今後の見通し、サービスのあり方、経営健全化策、収支目標などが示されました。今後、市民意見の募集が1月25日まで行われます。
給与カットで何とか単年度黒字に
現状は、市バスの経常収支が連続3年、20年度は9億円の黒字、累積赤字が105億円。地下鉄は20年度は27年ぶりに18億円の黒字、実質累積資金不足は2375億円。いずれも人件費など運転資金を一時借入でまかなう経営状況で、給与カットなどで黒字化を達成しています。地方財政健全化法で、市バスは資金不足率55.3%のため基準(20%)になっていないので経営健全化計画を作る必要が生じ、あわせて地下鉄も計画を作ります。
地下鉄・新線の建設を休止
具体的な内容として、サービス水準は現行水準、桜通線の延伸でバス路線を再編、利便性と効率性の向上をはかるほか、地下鉄新線の建設は休止することが明らかになりました。
さらなる人件費カットと民間委託
また、利用促進や付帯事業収入の拡大、サービス向上などで収入増を図りつつ、人件費を市バス266億円、地下鉄42億円を削減、職員を市バス24%、地下鉄1%削減。給与制度を見直し、給与カットを継続、委託化の拡大、経費節約、外郭団体の整理統合などで支出の大幅削減を目指すことも明らかになりました。
一方、市バス事業の安定化のため地下鉄から80億円を出資、一般会計からの支援や資産売却などで、市バスの資金不足率を19.9%にする計画です。
新卒市バス運転手の生涯賃金を4000万円カット
わしの議員の質問で、新卒市バス運転手で生涯賃金が現行より4000万円、40歳の運転手で2000万円のカットが明らかになり、民間委託も路線ごとなど小規模委託を積み上げて歳出削減をすることが明らかになりました。わしに議員は、「新線建設休止は当然」としつつ、LRTは交通局と関係ないとかマイカーから公共交通への変更策も主体的にならない姿勢を厳しく批判し、交通局だけでは健全化がむつかしく、人件費削減と民間委託という安定・安全運行に不安を残すやり方を厳しく批判しました。
民・自・公の委員は新線建設休止を徹底的に批判し、わざわざ書く必要もないと主張しました。