12月21日 土木交通委員会 わしの恵子議員
東山動植物園再生プランの見直し
事業費50億円減、計画期間25年に変更
一定の改善されるもなお総事業費350億円
アジアゾウの展示イメージ
今回新たに、右端にゾウ列車のモニュメントが描かれており、保存活用されることがイメージ図で示された。
12月21日の土木交通委員会では、「東山動植物園再生プラン新基本計画(素案)」についての所管事務調査が行われました。
松原前市長のもとで立てられた現行の東山動植物園再生プランは、事業費400億円の大規模な再生を10年間の計画で行おうとするもので、日本共産党市議団は、事業規模を見直し、時間をかけて段階的に整備していくことをもとめてきました。
今回の「新基本計画(素案)」は、河村市長の指示によって「現存する歴史文化的施設や樹木、景観に配慮する」「市民により一層楽しんでいただく」の2つの視点から見直されており、この夏から始まったビールの販売に見られるような、娯楽的側面を強調する問題点もあります。
しかし一方で、「急ぐ必要はない」「事業費の縮小を」という市民の声や日本共産党の主張を反映し、計画期間が10年から25年間に延長し、5年ごとに事業計画を見直すこととし、エントランスの縮小などで事業費も50億円減額となりました。しかし、まだなお総事業費350億円の大型事業です。
わしの議員は「スケジュールの見直しは、『長い期間をかけて少しずつやるべき』と日本共産党が主張してきた通り」と指摘したうえで、施設の老朽化に対応する適切な維持管理費の確保がなされてこなかった問題や、飼育員の体制強化などを求めました。
また、わしの議員は「東山といえば『ゾウ列車』が大きな特徴。子どもたちが平和や命の大切さを学べるような観点を」と求めました。当局は「戦争の惨禍の歴史をふまえ、映像で『ゾウ列車』を学べるようにした」など、新たな位置づけについて説明しました。
さらに「東山動植物園は、教育施設の一環。ビール販売がはじまったが、訪れる子どもたちや大人、動物にとっても安全で快適な施設とするため展示ゾーンにはビールは不要」と指摘し、河村市長がすすめる「娯楽施設化」を批判しました。
一方、他党議員は「スケジュールの遅れは問題」(公明)、「事業費、入場者数などが下方修正されたが、世界一を目指せ」(自民)、「指定管理者導入を検討すべき」(民主)、「獣舎ごとのネーミングライツを」(自民)などと述べ、大規模事業に固執して、いっそうの民間化を推進する姿勢が目立っており、市民の願う見直しに逆行しています。
事業費 | 約400億円を約350億円に想定 |
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整備期間 | 平成28年度(開園80周年)までの10年間を、平成48年度(開園100周年)までの約25年間に想定し、概ね5年毎に事業計画の見直しを行うこととする。 |
年間入場者数 | 350万人を300万人と想定する |