日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2010年2月11日発行

2月10日 後期高齢者医療広域連合議会
2010年度予算審議 田口一登議員

保険料の値上げをやめよ
国・県の支援不十分なまま高齢者に負担押し付け

愛知県後期高齢者医療広域連合議会が2月10日に行われ、後期高齢者医療保険料の値上げ条例や予算案が審議されました。

埼玉や神奈川県は値下げした

田口一登議員は、保険料値上げの条例質疑で、保険料を引き下げる埼玉県・神奈川県や保険料を据え置く福井県などの事例を紹介して、「保険料を据え置け」と強く求めました。

市民税減税吹き飛ぶ値上げ

佐原光一連合長は、約12%の当初試算を約5%に引き下げたことで、「被保険者に不安や混乱を生じさせない対応ができた」と答弁しました。田口議員は、名古屋市の市民税減税と比較し、「夫の年金250万円、妻の年金80万円以下の夫婦世帯での保険料値上げ額は7400円となり、減税額3400円の2倍以上も多い」ことを示し、「保険料値上げで減税の恩恵は吹き飛び、負担が増える。約5%の値上げ幅はけっして小さなものではない」と指摘しました。

基金の活用や財政支援で据え置け

広域連合は「財政安定化基金の積み増し・取り崩しで保険料増加を抑制」したといいますが、田口議員は、「財政安定化基金を約20億円も積み立てたままにするなど、値上げ抑制の努力は不十分」として保険料値上げの条例案に反対しました。

国民の願いを裏切った鳩山政権の対応

田口議員は、制度の廃止を先送りし、保険料の負担を増やさないという約束まで反故にした鳩山政権の対応について、国民の願いを裏切る“二重の後退”だと批判。後期高齢者医療制度を直ちに廃止する立場から、来年度の特別会計予算案に反対しました。

「後期高齢者医療制度に関する懇談会」が常設設置に

愛知県社会保障推進協議会(社保協)が広域連合議会に4たび請願を提出して求めてきた運営協議会が、「後期高齢者医療制度に関する懇談会」の形で実りました。年2回行われます。

保険証の渡ってない「無保険者」が21人

田口議員は「滞納を理由に高齢者から医療を奪ってはならない」と指摘し、連合長は「資格証明書は1件も交付していない。『原則、資格証明書は交付しない』という厚生労働省の通知にもとづいて、より厳格な運用を徹底する」と答弁しました。

短期保険証は403件交付(昨年12月末現在)され、保険証が手元に渡っていない無保険者は21人いることが判明しました。この人たちは、保険証を持っていないから医者にかかれません。名古屋市では、「呼び出しに応答がないから」との理由で保険証が窓口に留め置かれている人が6人います。田口議員は、「無保険状態で放置しておくことは、まさに命に直結する。直ちに保険証を手渡すよう市町村を指導せよ」と追及。事務局長は、「保険証を持っていない事例がないよう指導する」と約束しました。

医療費一部負担金の減免制度が改善へ

災害時に住宅が損害を受けた場合のみ適用されていた医療費一部負担金減免制度(窓口負担の減免)が、社保協の請願や田口質問を受けて、様々な事情で収入が激減した場合も適用されるよう、改善に前向きの答弁がありました。

また協定保養所利用助成制度のPRや健診の受診率向上策を連合が明らかにしました。

田口議員紹介による県社保協の「保険料引き上げするな」「資格証明書出すな」の請願は不採択になりました。

保険料の改定

・一人当たり 73,998円→77,658円(年額)

*均等割額 40,175円→41,844円

*所得割率7.42%→ 7.85%