3月8日 本会議・個人質問 さとう典生議員
フジチク食肉疑惑 外郭団体改革いうならまず全面公開を
市の責任を不問にしたまま税金投入は許されない!
さとう典生議員は3月8日の本会議で、個人質問を行いました。その概要を紹介します。
さとう典生議員は、先月発表された包括外部監査報告書で、本市の外郭団体の名古屋食肉市場株式会社と財団法人名古屋食肉公社が厳しい指摘を受けたことも踏まえ、南部市場移転にかかる食肉疑惑について質問しました。
2006年に現在の港区船見町に市の中央卸売市場として南部市場がオープンするまでは、市内には、市の中央卸売市場高畑市場(中川区)と、民間の地方卸売市場として愛知食肉卸売市場協同組合(愛食)が開設する愛知食肉市場(熱田区)の2つの食肉市場がありました。高畑市場の移転計画にともない2つの卸売市場の統合がすすめられ、高畑市場の卸売業者である外郭団体名古屋食肉市場株式会社(名食)が、愛食から営業権を譲り受けるという枠組みが決められました。この枠組みの下、解同=フジチクグループの中核団体である愛食に対し、多額の資金が流れされる仕組みが作られました。今回の外部監査によって、移転後、食肉公社が愛食から冷蔵庫を借りる予約契約のために15億円の保証金を差し入れたことが新たに明らかになっています。
驚きの原稿棒読み答弁の河村市長
同和利権は、やっぱりタブー
さとう議員は、「これまで、いったいいくらのお金が愛食に支払われたのか。名食からは、営業譲渡の59億2000万円、新市場開設までの6年間に食肉公社が冷蔵庫などを借りた賃料が13億円以上、移転後に冷蔵庫を借りる約束で15億円の保証金と締めて87億円。これに対して市から名食・食肉公社へ補助金等が33億円支払われ、さらに今予算案で5億円の貸付が食肉公社へ行われようとしている」と指摘し、市長に対して、実態の解明と責任の所在を明らかにするよう求めました。
これに対して河村市長は、「これ以上の調査は不可能」「営業権の価額は妥当で、補助金も適正に執行してきた」などと用意された答弁書を棒読み。さとう議員が「利権構造がつくられたことを認めるのかどうか」とせまっても、「適切」との答えを繰り返すだけで、日頃は外郭団体改革を叫ぶ市長が、同和利権をタブー視し、口をふさぐ情けない姿を露呈しました。
5億円の貸し付けは安易な税金投入
一方、さとう議員は、「外部監査は、保証金15億円のための借り入れを『愛食への事実上の迂回融資』と厳しく指摘し、安易な市の負担を戒めているが、食肉公社への貸付金5億円こそ、安易な税金投入ではないのか」と指摘し、根拠をただしました。
市民経済局長は「愛食の民事再生手続き後、借入金15億円の圧縮を金融機関と交渉してきたが、12億円の免除を受ける目処がたった。そこで市として公社に、借入金の返済3億円と運転資金の2億円の計5億円を貸し付けることにした」と答えました。
さとう議員は、疑惑の全容解明をおこなうため議会として100条委員会を設置することをもとめました。
児童福祉センター跡地を売却するな
移転する児童福祉センターの跡地(昭和区)は、介護施設、老健施設の建築を条件に民間に売却する方針です。さとう議員は「地元からは児童公園を残してほしいという要望があり、16000人の署名も提出されている。2万平方メートルの土地は、手放せば二度と手に入らない貴重な市民の財産であり、売却方針を撤回して地元や市民と話し合いを」と求めました。