正=市議定数半減で一票の格差は「拡大」
誤=河村市長の一票の格差「縮小」答弁
―事実に基づかない答弁は許されません―
区 (定数) |
2005年 国勢調査 人口比 |
2010年 3月2日 有権者比 |
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現行 | 河村案 | 現行 | 河村案 | |
港区 (5→2) |
1.16 | 1.49 | 1.155 | 1.461 |
南区 (5→2) |
1.10 | 1.41 | 1.129 | 1.427 |
西区 (5→2) |
1.09 | 1.40 | 1.141 | 1.442 |
中区 (2→1) |
1.35 | 1.39 | 1.466 | 1.483 |
東区 (2→1) |
1.30 | 1.34 | 1.426 | 1.442 |
日本共産党名古屋市議団は河村市長の市議定数半減条例に関する誤った答弁について声明を発表しました。
3月9日の定数半減条例に対する質疑で、日本共産党の田口議員が、「国勢調査人口での1票の格差が拡大する」と指摘したことにたいし、格差是正では国勢調査人口を使うことが当たり前なのに、わざわざ田口議員もまだ知らない直近3月2日の有権者数を持ち出し、「格差は縮小する」と答弁しました。
ところが、12日の総務環境委員会では、一票の格差が市長の定数半減案では現行の1.466倍から1.483倍に拡大することが判明し、市長は吉田隆一議長に訂正を申し出ることが報告されました。くれまつ順子議員は、「ただの読み間違いではなく答弁趣旨が180度変わる。市長は事実に基づく責任ある答弁をするべき」と厳しく抗議しました。
市本会議における市長の誤答弁について
2010年3月12日
日本共産党名古屋市議団 団長 わしの恵子
3月9日本会議において、河村たかし市長は市議定数半減案に係るわが党の田口一登議員の質問に対し、定数半減案では「一票の格差」が最大1.461倍であり、現行の1.466倍より縮小する旨の答弁を行った。
しかし、本日の総務環境委員会において、この答弁に誤りがあり、「一票の格差」が市長の定数半減案によって1.483倍へ拡大することが判明した。
今回の件で改めて、市長の議員定数半減案に道理のないことが明らかになった。死票を増やして民意を切り捨て、無投票傾向の増大によって「指定席」を増やし、さらに一票の格差を拡大するという、わが党の指摘の正確さが立証された。
定数半減によって一票の格差が「縮小」するのでなく「拡大」することが明らかになり、市長答弁は「訂正」では済まず、「取り消し」されなければならない。市長の答弁趣旨が180度変わるからである。「取り消し」は議会の許可が必要であり、党市議団は議長に適切な措置をとるように要望するものである。
同時に、市長に対し事実に基づく責任ある答弁をおこなうよう強く求めるものである。
わが党議員団は今後も、民主主義に反する「河村議会改革」の問題点を厳しく追及し、その危険な暴走を阻止するために引き続き全力を尽くすものである。
3月9日の本会議議事録
○田口市議 定数を半減する区割り案は、1票の格差を拡大するという問題です。 平成17年の国勢調査を基にした1票の格差は、現行の定数では、最小の昭和区に対し、中区が最大で1.35倍です。ところが、定数半減の区割り案では、最小の千種区に対し、最大は港区の1.49倍であり、南区、西区も1.4倍を超え、現在よりも1票の格差が拡大します。
●河村市長 1票の格差ですけど、これは違っていまして、格差は縮小しております。今ですね、現行ですと、最大が中区で、議員1人あたりの有権者30,077人、昭和区が20,513人ということで1.466倍ですね。それから、今度の、当方の条例案によりますと、最大が港区59,255人、天白区40,571人の1.461倍です。まあ、わずかでございますが、1票の格差は少なくなっております。