議会基本条例を具体化する提言を党市議団が発表(4月7日)
『名古屋市議会の改革推進のための提言』
日本共産党名古屋市議団の『提言』のうち、議員報酬と定数に係る部分をお知らせします。
『名古屋市議会の改革推進のための提言』の構成
(1)提言の立場
(2)「議会基本条例」の具体化で生かすべき教訓
① 議会経費の透明性と説明責任
② 従来の審議の慣行打破
③ 市民公開・市民参加の拡大
④ 政策提案・条例提案の活発化
(3)さらなる改革の重点課題
① 議員報酬の引き下げ(今回掲載)
② 参政権を保障し多様な民意を反映する定数が必要
③ 政務調査費の減額と使途適正化を
④ 慣例的な海外視察や委員会個人視察の廃止を
⑤ 議会の広報活動の強化を
⑥ 企業・団体献金の禁止・自粛
(4)ご意見、ご要望を
(3)さらなる改革の重点課題
提言を発表するわしの議員と江上議員
① 議員報酬の引き下げ
第1は、市民から「高すぎる」との批判の強い議員報酬の引き下げです。
現在、名古屋市議会は、現下のきびしい市民生活や市の財政事情を考慮し条例で定められた報酬額(月額99万円)を特例措置として89万円に、10%減額しています。しかし、市民の雇用不安や所得低下は一段と深刻化しており、条例報酬額そのものを特例措置以下に引き下げることが真剣に検討されなければなりません。
地方自治法第203条は議員報酬の支給を定めています。「名古屋市議会基本条例」は議員報酬について「議員活動に専念できる制度的な保障が必要」と明記しています。市会議員は、市民の要求にもとづいて地方自治を守り発展させる任務をもっています。そのためには、議会開会中にとどまらず、日常不断に市民との結びつきを強め、調査研究や政策学習に励み、市政と市民を結ぶ活動に事実上専念しなければなりません。このような議員活動を保障する報酬は、市民の意見を市政に反映させ、市民の参政権を生かすために必要な民主主義の経費といえます。
議員を「政治ボランティア」として「無償化」すべきだとか、「報酬は低ければ低いほうがよい」という主張がありますが、それでは一定の資産のある者以外は議員になることが困難になるという事態を生み、民主政治の発展を妨げることにもなります。
議員報酬の基準は法律で決まっていません。「報酬半減」や「800万円」に合理的な根拠があるわけではありません。議員報酬の額は、市長の押し付けでも、議会のお手盛りでもなく、市民参加・市民公開で検討することが大事ではないでしょうか。
日本共産党市議団は、公募市民、学識経験者が参加した「報酬調査検討会(仮称)」を議会にもうけ、議員の役割や市の財政事情をふまえ、市民感情を十分尊重し、議員報酬の引き下げを検討することを提案します。
② 参政権を保障し多様な民意を反映する定数が必要
第2は、市議定数については市民の参政権を保障し多様な民意を市政に十分反映する立場をつらぬくことです。
河村市長が2月定例会に提出した「市議定数半減」案にたいし市民から「乱暴すぎる」「議会破壊」「ファッショ」などの強い批判がおきました。当然です。市長の議会攻撃の根底には、憲法の定める2元代表制を否定する立場があります。
名古屋市議会の議員定数は現在75。「議員が多すぎる」という意見がありますが、地方自治法による名古屋市の法定上限定数は88です。これが定数を考える基準です。現行75はすでに法定上限定数を13下回っています。定数の削減は、民意の削減であり、市民の参政権を弱めることにつながります。
日本共産党市議団は、少数意見をはじめ多様な民意を切り捨てる定数の削減や小選挙区導入、2人区拡大に反対します。人口増には定数増で対応すべきと考えます。