4月19日 本会議質問 山口きよあき議員
議会での議論の積み重ね、到達点を無視するのか
まちがった減税の恒久化は認められない
4月19日の臨時会での、山口きよあき議員の質問を紹介します。
4月19日の臨時議会で、山口きよあき議員は「市民税減税条例の一部改正」について「金持ちゼロの庶民減税はどうなったのか」と市長をただしました。
40日に及ぶ議論を経ても持論に固執
河村市長の市民税10%減税を盛りこんだ予算案は、2月定例会で市民サービスの低下をもたらすとの厳しい批判を受けて、いくつかの修正がなされ、減税そのものも今年一年に限ることに改められました。しかし、市長は、減税の恒久化を再び提案してきました。
名古屋市議会では、減税について昨年6月以来、委員会と本会議あわせて約40日に及ぶ議論を積み重ねてきました。普通なら、互いの認識も深まり、より良い施策となるよう必要な修正も行い、見直し規定を設けることなどは、ごく普通の政治の姿です。ところが市長は自説にこだわり続け「イエスかノーか」だけを議会に迫っています。いくら議論をしてもまったく時間の無駄、議会は市長の提案を黙って採決すれば良い、としか考えていないようです。
山口議員は「この間の、議会における議論の積み重ね、議論の到達点をいったいどのように認識しているのか」とただしました。
答弁不能になると「共産主義は…」
今回、一年で見直すことになったのは、市長の減税では、市民サービスの低下が避けられないことが議会の審議で明白になったからです。加えて、修正された予算でも、大企業と高額所得者に手厚い減税という構造的欠陥は何ら解消されておらず、このまま減税を継続することは市民の利益に反します。議会が、金持ち減税のツケを庶民にまわすな、という市民の声を反映した議論を経て導き出した結論を、市長は素直に尊重すべきです。
市長は質問に答えられず「公約なので、何としても実現させたいということにつきる」といいのがれ、ついには「共産主義と私の思っているところと違う」と古い体質むき出しの開き直り答弁に逃げ込みました。
減税を行うのなら庶民減税に
一律10%減税にこだわったため、大企業では1社で年間2億円とか1億円の減税になるのに、赤字に苦しむ中小企業への減税は年間わずか5千円です。こんな減税は経済成長にとってもプラスにはなりません。今回、減税の目的に「将来の地域経済の発展に資する」ことを加えますが、こんな減税では、大企業の過剰な内部留保の蓄積を、市民税レベルでさらにすすめるだけで、地域経済の発展に資するものにはなりません。
山口議員は「公約通り、金持ちはゼロ、そして法人市民税の減税は除く方向で抜本的に見直すべきではないか」とただしました。市長は「たくさん減税される方は、その分たくさんの所得税を払っている」と金持ち・大企業減税は当然と開き直るしかありませんでした。そして「共産主義の計画経済のほうがましだ」とチン論まで飛び出しました。
山口議員は「議会の意見や市民の声に耳を傾けようとしない市長の減税は、形を変えた大企業支援、国民が退場の審判を下した旧い自民党政治の焼き直し、国民に痛みだけを押し付ける「構造改革」路線そのものだ」と厳しく批判しました。
地域委員会モデル事業 まず成果と問題点の検証を
補正予算に関連し地域委員会の問題をただしました。 現在、八つのモデル地域が動き出していますが、公募委員の選出ひとつとっても、いくつも問題点が噴き出し、地域予算はこれから本格的な議論が始まる段階です。このモデル事業の検証をきちんと行うことが議論の大前提です。ところが、検証も不十分なまま、新たにモデル地域を増やそうというのです。民主主義の新たな仕組みをつくるのに、市長のトップダウンという強権的な手法で進められては、市長の言う民主主義が泣きます。
山口議員は「既に始まっているモデル地域の取り組みをていねいにフォローし、その成果と問題点を十分に検証することに、力を集中すべき」と指摘しました。