9月24日 財政福祉委員会 江上博之議員
市立病院 市計画で地域医療が低下する
民間譲渡―城西の診療科・病床は大幅削減
指定管理―緑も来春分娩廃止と病床削減
9月24日の財政福祉委員会では、城西病院の民間譲渡と緑市民病院への指定管理者制度の導入について、病院局から報告され議論しました。
城西民間譲渡は高齢者にやさしくない
城西病院は来年3月末で市立廃止・民間譲渡され、病院、介護老人保健施設、特別養護老人ホームの複合施設になります。病院部門は来年4月から病床数が305から120に減らされます。診療科目も現行の14科から内科のみになり、翌12年度以降も5科しかなく、他は医療法人偕行会の運営する名古屋共立病院とシャトルバスで結び、医療ニーズに応えるとしています。
江上博之議員の、「なぜ整形外科がないのか。この科目では住民の要求に応えていない」との質問に病院局は「高齢者にやさしい病院として総合内科を設置。整形等診療科の指定は応募要項になく、名古屋共立病院とシャトルバスで結ぶ」と診療科目削減を意に介さぬ答弁をしました。「シャトルバスで何分で行けるのか」との追及にも「実際に走っていない」と無責任な姿勢を示しました。江上議員は「急ぎすぎて無理をし、地元にとって大変なマイナスを作っている」と批判しました。
自民党議員は、本会議で共産党が質問した偕行会の診療報酬に関する不正の疑いについてただし、国が同法人への処分を決めるまで譲渡するなと主張しました。
緑市民病院は再公募の条件を改悪
緑市民病院の指定管理者問題では、申請した法人が「医師・看護師の人員確保と全診療科の継続が困難」「市に病院の建て替えの意向がない」との理由で辞退届し、市は再公募の条件を大幅に緩和(改悪)します。
江上議員は「申請者が審査の段階で辞退したアことをどう受け止めているのか」と追及。病院局は「300床の運営は民間といえども困難。施設の建て替えもできない」と答弁。江上議員は、「指定管理者導入の方針が間違っていたということ。白紙に戻せ」と主張しました。
緑市民病院は産科医の退職により来年4月から分娩廃止。公募要件の分娩が必須から外されるのは重大です。
また、民主党議員の民間譲渡の主張にたいし、病院局は「指定管理者導入で議決している」と否定しました。
緑市民病院の指定管理者再公募の条件変更
- 病院開設者を「愛知県内」から「地域は限定せず」に
- 指定予定期間を「遅くとも平成24年4月1日」を「平成24年4月1日」に固定
- 医療機能について、「305床」を「200床以上300床以下」に、診療科については「分娩は必須としない」
- 災害時、感染症発生時は他の医療機関と連携できる
- 施設整備で市が2011年度3億円程度、12年度1.5億円程度、13年度1億円程度の負担をする
城西病院の民間譲渡の中身
運営施設 | 法人名 | 開始予定時期定員・施設構造など | |
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病院 | 医療法人 偕行会 |
2011年4月〜2012年3月 診療科目 内科のみ 病床数 120 既存管理診療棟、北病棟外来 診療 月〜金 9-12時 |
2012年4月以降 診療科目5科(呼吸器内科、呼吸器外科、腎臓内科、神経内科、内科) 病床数 120 新築鉄筋コンクリート5階建て 外来診療 月〜金 9-12時 |
介護老人 保健施設 |
医療法人 朋寿会 |
開設 2012年10月 定員100人 鉄筋コンクリート造3階建 通所リハビリ・定員40名 |
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特別養護 老人ホーム |
社会福祉 法人旭会 |
開設 2013年7月 定員120人 鉄筋コンクリート造4階建 ショートステイ・定員10人 |