11月19日 本会議質問 江上博之議員
国△0.19% 県△0.78%のなか、名古屋市△2.35%の勧告
年間23万円の給与削減は民間給与削減へ悪循環
質問に立つ江上博之議員
11月19日の、江上博之議員の質問を紹介します。
江上博之議員は、職員の給与に関する条例の一部改正について市長の考えを追及しました。
2年連続、異常な大幅マイナス勧告
名古屋市の人事委員会勧告は、勧告率(マイナス2.35%)で月額平均9,604円、年間約23万円の引き下げです。昨年のマイナス2.99%に続く2年連続の大幅引き下げになります。国の改定はマイナス0.19%、愛知県が0.78%、他の政令市でも静岡市がマイナス1.19%、横浜市でマイナス0.8%というなかで名古屋市のマイナス2.35%は際立って悪い勧告です。
トヨタなど黒字に転換、民間給与プラスへ
民間給与でも、愛知県の事業者規模30人以上の調査産業の従事者月平均給与は、昨年12月以降、前年同月比でプラスに転じています。11月5日、トヨタ自動車は、営業利益3,231億円と2年ぶりの黒字と報じられています。民間大企業の景気はプラスに転じています。
金持ち・大企業減税のための財源づくりだ
江上議員は「なぜ、こんなに、名古屋市の勧告率が低いのか」とただし、「今年5月臨時会での、金持ち・大企業優遇、福祉市民サービス削減の10%減税のための人事委員会勧告を無視したボーナスカットにつづき、さらに人勧で引き下げるのではないか」と厳しく追及しました。
「元気な名古屋」の時は他より高かったか
勧告は、名古屋市の場合は、国とも「著しく異なっている」といっています。景気の悪さが際立っているから低いのでしょうか。しかし、景気の良い「元気な名古屋」といわれたとき、国や他の政令市に比較して上げ幅が大きかったわけではなく、他と同じ程度でした。江上議員は「悪いときだけ大きく引き下げるのが適切な勧告か」とただしました。
人事委員会は「調査は全国統一基準でやっており適正。その結果をもとに勧告した」とこたえました。
景気回復、暮らしを守るのが市の仕事だ
民間給与が低いことは、名古屋市の景気対策の効果がなかったことの反映です。民間では、正規職員を非正規に置き換え、派遣切りや中小企業の下請け単価も切り下げています。
市職員も、正規職員が減らされ、非正規職員や委託が増え、賃金引下げにつながっています。市職員給与は関係する福祉の民間職場、企業にも影響します。
江上議員は「正規職員を増やし、賃金を引き上げ、下請け単価を引き上げてこそ内需拡大、景気回復の道ができる」と指摘し「職員給与を上げて、民間給与を引き上げ、景気回復につなげるべきでないか」と追及しました。
職員の士気の低下、働きがいにかかわる
江上議員は、「係長試験の受験率が低下し、精神的な疾患者も増加」している実態を示し、「優秀な人材が名古屋市に来なくなることが心配だ。働き甲斐のある職場作りが市民生活向上にもつながる」と指摘し、「優秀な人材確保、職員の士気を挙げ、よりよい自治体を作るため必要な給与改善を」と求めました。
市長は「公務員の給料が景気に影響するなんて聞いたことがない」「給料以外で士気を高めたい」と答えました。
大企業にきちんとものが言えないのか
あまりに無責任な市長の答弁に対し、江上議員は「儲かっている大企業の内部留保を活用して民間給与の引き上げや雇用の改善、下請け単価の引き上げを求めることこそ市長の仕事ではないか」ときびしく指摘しました。
市長は「民間企業にたいして個別にこうしろと言うのは適切ではない」と異常なまでの公務員攻撃に終始しました。