本会議(3月1日) 代表質問 村瀬たつじ議員
それでも市長か?
小泉政治と大企業のいいなりで市民に押し寄せる負担増
村瀬たつじ団長が行った新年度予算案の代表質問を紹介します。 (全文はこちらから(別のページが開きます))
村瀬議員は、小泉内閣の増税路線による市民の負担増がいかにひどいかを明らかにし、市長の見解をただしました。
■増税路線は中止を
定率減税の半減などによる増税で住民税が増税となる名古屋市民は93万人。すでに法改正されて2005年度から実施が決まっている配偶者特別控除の廃止や妻の均等割り非課税の廃止などによる住民税増税や2006年度から実施の公的年金控除の縮小や老年者控除廃止、さらに定率減税半減とあわせて今国会で決めようとしている65歳以上の住民税非課税限度額の廃止などの増税を合計すると増税規模はさらに膨れ上がります。村瀬議員は、「延べ145万人の住民税が増税、負担増150億円となる。増税路線は絶対にさせるな」と追及しました。市長は「国会で議論されているのでその動向を見守る」と答えました。
■増税で負担増は雪だるま式に増える
国の庶民増税で所得税や住民税が大幅増税だけになるのでなく、国民健康保険料や介護保険料、敬老パス負担金などが雪だるま式に市の制度でも大幅に負担増に…。市営住宅の家賃や保育料などにも影響が及びます。
村瀬議員は、2004年の市民負担と2008年の負担の比較を高齢者夫婦の例にしたパネルを示し、この例では所得税、住民税、国民健康保険料、介護保険料、敬老パス負担金の合計負担額は、年額11万5千円から34万7千円と3倍にもなり、23万2千円もの負担増になることを明らかにして、「市民の負担増を軽減せよ」と要求しました。
市長は「諸制度への対応は国の責任において対処すべきだ。国民健康保険料は特例的な軽減措置等を国に要望している。介護保険も敬老パスも新年度は影響しない」と答えました。
■選挙利用の予算編成でいいのか
松原市長が市長選の「マニフェスト」に掲げた新規施策(小学校2年生への30人学級導入、産業立地促進助成、東山動植物園の再生プラン策定や産業技術未来博物館の基礎調査など)がいくつも盛り込まれ、多くが「2010計画」にもない施策であることを指摘しました。さらに、歴代名古屋市政は、市長選挙前の予算は継続事業を中心に組み、新規事業については市民の審判を経た新市長にゆだねる、必要最小限の「骨格予算」としてきたのに松原市政になってこの慣習を破壊し有権者の審判を軽視する姿勢を批判しました。
市長は「2010計画に沿って、次世代支援などの課題を一刻の猶予もなく適正に運営している」と答えました。
■市長の資金集めパーティで居直る
2月2日の「チャレンジ21・名古屋の会」の政治資金パーティで2,500万円の選挙資金を得たとされます。以前の議会で市長は「関係の業者などからのパーティ券の購入は極めて抑制的に対処したい。できれば断りたい」としました。
村瀬議員が、「パーティ券の購入は断ったのか」と追及したのに対し、市長は「法令に基づき、適正に処理されている」と居直りました。
■退職金の廃止は市民の声
市長の退職金が4年で4,800万円ということに市民の批判が大きく、今回だけは3300万円に減額しようとしています。村瀬議員は「市長に退職金は要らないというのが市民の声。なぜ3割減か」とただしました。
市長は「自ら、総合的に考慮して妥当と決めた。今後は第三者機関の意見を聞くなどして検討する」と答弁しました。
■市民負担は2年で180億円以上。図書館などの駐車場有料化の撤回を
松原市長は「採算性」と「効率性」を最優先し、市民のくらしにかかわる予算を大幅に削りました。この2年だけでも保育料などの公共料金値上げ等を繰り返し、180億円に及ぶ市民負担増になりました。村瀬議員は「市長の胸は痛まないのか」とただしました。
市長はマニフェストでこの間の福祉施策を最高評価「5」とし、さらに今後の有料化や料金引き上げを予定しています。村瀬議員は「有料化や料金値上げなど市民負担増はやめ、図書館の駐車場などは無料に戻せ」と要求しました。市長は「心苦しいが、不足分は税金で補うことになるため適正化をお願いした」と答弁しました。
■「ポスト万博」でも大企業言いなり
ポスト万博・空港の事業として「都市再生」による超高層ビル建設などを本格化させようとしています。既存の中小企業や商店街などへの対策予算は、今年度より8,800万円も削ってたった9億円です。これに対しトヨタ・毎日ビル(6億円)、名鉄・中電・トヨタなどの「ルーセントタワー」(10億円)、三井ビル(2億円)の三つのビルで18億円の補助金が計上され、今後さらに増える見込みです。
村瀬議員は「まち壊しにつながり、新たな浪費を生み出す都市再生緊急整備地域の指定を返上せよ」と追及。住宅都市局長は「市の活性化に寄与すると期待し、返上する考えはない」と答弁しました。
■中小企業の活性化こそ優先を
外国企業誘致への支援や重点産業立地促進助成、都心部事業所開設促進助成などの施策では、市内事業所の99%を占める中小企業や地域経済の活性化につながりません。
村瀬議員は「大企業を支援するよりも、既存の中小企業を守り、活性化させることに重点をおくべきだ」と要求しました。市民経済局長は「企業誘致を進めることが、地元中小企業のビジネスチャンスの拡大につながる」と答弁しました。
■教育の運営費予算を増やせ
市内小中学校の標準運営費は、2002年以来財政赤字を理由に3年間連続して削減されました。この結果、学校では、「教材用の画用紙やビー紙が不足している」とか「算数セットが父母負担となっている学校も出ている」などの声が出ています。2003年度決算の委員会で、市教委は「もう我慢の限界」と答弁していましたが、この新年度予算案では、さらに1割カットされ、2001年当時と比べれば生徒一人当たり小学校で33%減、中学校では30%の減額です。
村瀬議員は「税収も増えているのに、なぜ標準学校運営費や光熱水費を削減しなければならないのか」とただしました。教育長は「効率的な活用で支障のないようにしている。運営費を戻す気はない」と強弁しました。
■万博で市内の消防体制が弱体化
現在、国の消防力基準に照らして本市の消防職員の充足率は、91%でしかありません。ところが、新年度予算案では消防職員が14人も減らされ、さらに、万博の開催中に、24人の消防職員と消防車両6両を万博消防署に派遣、現在より38人少ない状態になります。
村瀬議員は「これで安心・安全なまちづくりができるのか」と追及。市長は「教育訓練や署の勤務などで効率的に運用し市内も会場も万全を尽くす」と答えました。
■平和と憲法を守れ
平和市長会議は現在、世界110カ国の714都市の参加があり、本市と姉妹都市であるロサンゼルス、シドニー、そして姉妹都市提携の予定のトリノ市も加盟しています。
村瀬議員は「平和市長会議に名古屋市も加盟を」と求め、今、憲法、とりわけ第9条を改定しようとする動きとともに、9条を守ろうと著名人らによる「9条の会」の活動が広がっていることを紹介し「憲法9条が世界と日本の平和に果たしてきた役割をどのように認識しているのか」と追及しました。
市長は「平和市長会議に加盟するまでもなく、対応してきた。憲法は国民の間で十分な議論がなされることを期待したい」と答えました。
■市民犠牲の市政を市民は許さない
村瀬議員は、「市長は4年前の市長選で福祉の充実を公約したが、福祉の切り捨てを進めてきた。その一方でムダな公共事業や大型化開発には、お金をつぎ込んできた。こうした市政が市民の支持を得られると思っているのか。市民は許さない」としめくくりました。