総務環境委員会(3月9日)田口かずと議員
松原市長のマニフェスト
「産業技術未来博物館」に与野党から疑問
松原市長が「ポスト万博」の目玉の一つとして自らのマニフェストで打ち上げた産業技術未来博物館構想について、3月7日、9日の総務環境委員会では、田口かずと議員が追及しただけでなく、与党の議員からも疑問の声があがりました。
新年度予算案には、「ものづくり文化を発信・継承する施設」として産業技術未来博物館の実現可能性を検討する調査費が盛り込まれました。ところが、名古屋市の基本計画=2010計画にも、その第2次実施計画(04〜06年度)にも、同博物館構想は掲載されていません。田口かずと議員は、「産業技術未来博物館は、松原市長が本会議で答弁したような一刻の猶予も停滞もなく進めなければならない事業ではない」とただしました。
■民間でできる産業観光は民間で
田口議員はまた、「この地域にはトヨタ博物館など民間の産業資料館がたくさんある。ないのはJR東海ぐらい。どうして新たな施設をつくる必要があるのか。JR東海の新幹線でも展示するつもりか」と追及。当局は、産業観光・産業振興などが目的だと答えましたが、同議員は、「産業観光は民間企業や経済団体が進めてきた分野。『民間でできることは民間にまかせる』といって行政改革を進めている名古屋市が、産業観光という民間にまかせていた分野に新たにかかわり、お金を出し、施設をつくる必要はない」と厳しく指摘しました。
与党の議員からも、「既存の民間の博物館があるのに、新たな施設をつくるのは何のためか」、「基礎調査の結果、つくらないということも選択肢にせよ」などの疑問や意見が出されました。
この地域の主な産業観光施設
年間入場者数5万人以上の施設と2003年度の入場者数
◆産業技術記念館(西区、16万人)
◆ノリタケの森(西区、50万人)
◆でんきの科学館(中区、52万人)
◆有松・鳴海絞会館(緑区、16万人)
◆愛知県陶磁資料館(瀬戸市、9万人)
◆博物館「酢の里」(半田市、8万人)
◆トヨタ博物館(長久手町、17万人)
◆かがみがはら航空宇宙博物館(各務原市、17万人)