日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2005年3月14日発行

市民犠牲をやめ、市民本位の予算へ
日本共産党が予算の組み替え案を提出


05予算案の組み替え案を提出する日本共産党市議団

日本共産党市議団は、3月14日、新年度予算案に対する組み替え案を松原市長に提出しました。

提案では、市長選の年にあたる当初予算は、「骨格予算」とするとともに、市民生活に直結する負担増を中止、福祉・教育は最低限の支援を継続、大企業の開発支援の中止、憲法9条に反する国民保護計画の中止という基本方向を示しています。

2005年度予算案の主な問題点

(1)市長選挙の年でも「本格予算」

市長選挙を控えた年度の当初予算案は、継続事業を中心に組み、新規事業については市民の審判を経た新市長にゆだねる意味から、必要最小限の「骨格予算」とするのが通例です。しかし、松原市長は4年前につづき、今回もこの慣習を破り、「本格予算」をくみました。

(2)市民負担増と市民犠牲をさらに推進

予算では、「効率化」「受益者負担」の名の下にいっそうの市民サービスの斬り捨てを進め、「行政評価」で「C」(見直しの検討)、あるいは「D」(休・廃止)とした児玉・緑プールなどは廃止に。小中学校の標準運営費などの経常経費の一律カットを継続。要介護高齢者等福祉金や訪問介護利用料軽減対策の廃止で高齢者福祉はさらに後退へ。病後児保育や中学・高校生の障害児放課後支援事業などが始まりますが、利用料が高く市民には重い負担に…。

(3)「ポスト万博」は、いっそうの大企業支援

「ポスト万博」で財界からの要請にこたえ、名古屋駅周辺など都心を「国際ビジネスの一大拠点」の中心に位置づけるなど、「都市再生」や企業誘致が目玉です。トヨタなど財界が進める新豊田・毎日ビルや牛島南ビルなどの超高層ビル建設が本格化し、外資系企業も含めた企業誘致などに初めて補助金を予算化します。これでは、地元の中小企業や市民が潤う地域経済活性化にはつながりません。徳山ダムなど、ムダと浪費の大型開発事業にメスを入れ税金の使い方を変えていくことがますます重要です。

(4)自治体の使命・役割を投げ捨て

民間委託や嘱託化の推進などで570人の大幅な定員削減や市民利用施設の指定管理者制度拡大で民間営利企業が参入するなど、自治体の使命・役割を投げ捨て営利企業化が強められようとしています。

組み替え案の基本方向について

(1)骨格予算として、新規施策のうち、市長選後の補正予算で対応できる施策は盛り込まない。

(2)支援費施設利用者負担額の引き上げなど、市民生活に直結する負担増を中止

(3)福祉・教育に最低限の支援を継続
要介護者等福祉金(2500円)や訪問介護の利用者負担軽減(6%)の据え置き。障害者ホームヘルパー(市職員32人)の継続。小中学校の標準運営費や市立高校運営費、大学研究費を据え置きます。

(4)大企業の開発支援を中止し、公共事業は生活密着型ですすめ、議員報酬も10%減額に

(5)憲法9条に反する国民保護計画の作成を中止

組み替え案のフレーム

(1)市長選挙が行われる年の新年度予算にふさわしい「骨格予算」とするため、新市長のもとで補正予算を組むことができるようにしました。
不要不急の新規・継続の施策を見直し、一般財源50億4千万円を生み出し、市民生活の充実をはかる施策の財源(必要額13億4千万円)にあてました。

(2)福祉・暮らしの財源を確保しながら財政再建にふみだすため、大型公共事業を中心にした投資的経費の削減と生活密着型公共事業の差し引きで、市債を259億円余り削減し借金財政から抜け出す第一歩となります。

歳出の減額 削減額 捻出される一般会計 市債の削減額
△361億円 △50億円 △259億円
歳出の増額 増加額 必要となる一般財源 市債の発行額
13億円 11億円 0円
差し引き 予算の増減額 一般財源の増減額 市債の増減額
△347億円 △38億円 259億円

◎全体の一般会計予算規模

予算案 増減額 組み替え後の予算規模
9887億円 △347億円 9539億円

※組み替え案の全文をご希望の方は市議団事務局へ連絡ください。