日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2005年3月16日発行

都市消防委員会(3月7〜11日)黒田二郎議員

無意味な国民保護計画はやめよ
どこが危いかもわからず避難誘導できない

いま、各自治体に、国民保護法にもとづく保護計画策定が押しつけられています。黒田二郎議員は都市消防委員会で保護計画策定の内容をただしました。

当局は「4人体制で、3人が消防、総務局からも主査が来る。250万円の予算で他都市調査と市民行動調査を行う。国や県と協力して、警報時にどこへ逃げるのか、手段はどうするか、食糧の備蓄はあるかなどの避難行動の予測や意識をアンケートなどで調査する。事態を想定して具体的に設問できないと有効なアンケートにならないので、具体化を国に要望している」と説明しました。

市民の安全と無縁の計画

黒田議員は、「国民保護法は国民が充分に理解できないまま成立した。市長は本会議で”法定受託義務だ”と答弁したが、選挙で国民保護法に反対する候補者が市長に選ばれた場合、それが住民意志となり、計画はできなくなるのではないか」と追及しました。

当局は「法自体が市民に浸透していない。有事がどういう形の想定かもわからず、上陸なら避難までの時間はあるが、ミサイルではそうはいかない。我々がこの法を咀嚼してからでないと、市民の何割がどういう行動をとるのかがわからない。国や県と調整して法令の整備などをつめていく」と答えました。

消防力の充足率は低いのにさらに人員削減
救急隊は10人でできるのに警防要員12人を削減

消防力基準と充足率
(2004.4.1現在)
区分 基準 現有 充足率
施設 署所 66 65 98.5
車両等 267 266 99.6
人員 警防職員 1958 1787 91.3
予防要員 284 250 88.0
庶務等 234 234
人員計 2476 2271 91.7

東海地震などの災害が現実視されているいまこそ、消防力の強化が必要なときはありません。ところが予算は、消防局職員が14名も削減されています。黒田二郎議員は「何故減らさなければならないのか」と追及しました。

当局は「削減14人の内訳は、増員3人、減員17人。増員は国民保護法のため。減員は事務5人、警防12人。出動態勢を整理し、指揮隊を見直して6署で12名分を削減し、支障が出ないよう嘱託員を6人入れる。充足率は人員で91%だが、高める必要は認識している。経営会議の方針に基づき事務や本庁を中心に削減してきたが、限界なので警防体制を見直した」と説明がありました。

そのうえ万博消防に24人も派遣

黒田議員は、消防職員を14人も削減した上に、万博消防に24人もの職員を派遣して消防力がダウンすることを指摘し、見解をただしました。当局は「国家プロジェクトでもあり協力は必要。半年だけなので採用の前倒しや、平均毎日15人くらいある研修を半年間遅らすなどの内部努力をした」と答えました。

救急隊増設は必要という一方で削減

他会派からも救急隊の増隊を求める意見が出され、「3人乗務で2交代と休暇要員でおおむね救急隊1隊で10人がめど。2010計画で38隊(現34隊)を目指すが、人員抑制のなかで難しい」と説明がありました。一部の委員からは「画一的な国基準に準じて38も必要か。図書館だって5万人に1つというが、名東に3つもいらない。1つでいい」といった意見もありました。