日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2005年6月30日発行

6月定例会・個人質問 田中せつ子議員

田中せつ子議員が29日の本会議で行った個人質問の概要を紹介します。

公の施設の使用料値上げストップを
利用者も減り自治体の役割が大きく後退

田中せつ子議員 使用料値上げは利用者減につながる

昨年11月に「受益者負担のあり方研究会」から公の施設に係る受益者負担のあり方に関する報告が出され、市の施設を公益性や収益性から区分して受益者負担の割合を決める基準作りが進められています。

報告書では、各施設の公費負担と受益者負担の割合について、東山動植物園の場合、03年度決算では受益者負担が25%(03年度決算)だが、50%にすべきだとしています。田中議員は、「単純計算でも大人の入園料は現行500円が1000円となる。使用料の値上げが利用者の減少につながるのではないのか」と追及しました。

 住民福祉の増進こそ自治体の仕事

「受益者負担」の名のもとにスポーツセンターが有料化となりましたが、名東区の場合、利用者が減少しています。田中議員は「腰痛のリハビリで通っていたが回数を減らした」「健康づくりに通っていたが負担が大きい」との市民の声を紹介し、「収益性をあげるために使用料の値上げや高齢者の減免廃止をすれば、ますます利用者が減ることは目に見えている。公の施設で利用者の負担を求める『受益者負担の適正化』は、住民の福祉の増進という自治体の本来の目的から大きく後退する」とただしました。

施設の受益者負担率の試案






30% 70%
プール、テニスコート、市民休暇村、国際会議場、ユース・ホステルなど
100%
20%
斎場
50%
動植物園、生涯学習施設、野球場、美術館、博物館、ホール、名古屋城など
70%
0%
コミュニティセンターなど
0% 0%
  大←公的関与→小
「公の施設に係る受益者負担のあり方に関する報告書」より

万博会場駅の滞留対策を求める
臨時バスやリニモの増発を

万博開催に関連して市民からいくつかの問題が出ています。

午後9時以降、リニモ万博会場駅は午後9時以降、万博からの帰り客で大混雑し、滞留解消策が求められています。田中議員の調査によると平常時で30分待ち、ピーク時で1時間待ちの時もあります。田中議員は「リニモの増発、臨時バスの運行など市が率先して関係機関に働きかけるべきでないのか」と求めました。

混雑の巻き添えになっているのが県立大学の夜間学生です。万博観光客の帰宅ラッシュに巻き込まれて、「毎日30分以上待ち」「明日の仕事にさしさわるので講義を早退した」などの声も…。

田中議員は、「夜間学生や教職員が臨時バスなどで帰宅できるようにすることが万博客の滞留改善にもつながる」と要求しました。これに対し総務局長は「混雑情報を流したり、夜間のパビリオン入場を午後9時までにするなどして帰宅時間の分散を図っている。県大の学生の帰宅手段は関係者との協議を見守りたい」と答えました。

 水質悪化は環境万博が原因でないか

万博長久手会場からの汚水を処理している長久手町浄化センターからの放流水のBODは、5月平均で6.7mg/lと開幕前の約2倍となり、目標値8mg/lを超える日もありました。全リンも昨年より大幅に増加し、下流の香流川も水質が徐々に悪くなっています。

田中議員は「万博による影響が大きいではないか。環境をテーマにした万博会場からの排水が原因で環境悪化していたとするなら世界に恥ずかしいではないか」と追及しました。環境局長は、「定かでないが、それだけの影響も判断できない」と答えました。