9月定例会・議案質疑 わしの恵子議員
名古屋市会 9月定例会会議録のページへ(新規ウィンドウで開きます) >>
公の施設の使用料値上げ・有料化の撤回を
わしの恵子議員が4日の本会議で、使用料の値上げや有料化などについて市長に質問しました。
わしの議員は使用料の値上げ・高齢者の有料化の問題点を指摘し「撤回せよ」と市長を追及しました。
地方自治体の役目の放棄だ
わしの議員は、今回の値上げ・有料化は「施設の設置目的や使用目的等への考慮もなく、使用料の設定基準のみを根拠に、画一的に改定しようというものであり、自治体の役割からみても問題だ」と指摘しました。
身勝手な受益者負担論
市長は「施設を利用する人と利用しない人との負担の公平」から「負担をお願いする」といっています。しかし、「公の施設」は、基本的には公費で賄うべきものです。
わしの議員は「受益者負担の考え方を、公の施設にあてはめるのは間違いだ。値上げで利用減となれば、地方自治法の『公の施設』の定義から大きく外れ、自治体の役割の放棄だ」と批判しました。
パブリックコメントでは値上げ反対が多数
市のパブリックコメントでも値上げ反対が圧倒的多数を占め、世論を無視できず、今回は全施設での値上げは見送り、値上げ幅に1.5倍の上限を設けたものと思われます。基準をそのまま当てはめると10倍以上の値上げとなる受益者負担の考え方には、根拠も理論性も整合性もなかったということです。
わしの議員は「値上げ幅を抑えたから良いというものではない。受益者負担の名による値上げの条例案は撤回を」と追求しました。
「ポスト万博」は、くらし・福祉を第一に
高齢者の有料化について市長は、「施設の持続的・安定的な運営を図るため、高齢者の皆様にも一定のご負担をお願いする」と説明しています。
有料化は、高齢者の社会参加や健康増進活動の機会を奪います。わしの議員は「家族や街、社会全体が受益者になる。なぜ、受益者負担の名のもとに、高齢者を直撃するような、有料化をするのか」と厳しく追求しました。
ポスト万博は、「くらし・福祉」を第一に市政運営を行うべきだと指摘し、わしの議員は「高齢者を直撃する有料化は撤回を」と要求しました。
「市民アンケートをもとに有料」と市長答弁
市長は、「地方自治法に使用料を徴収できると規定されているが、基準が示されていなかったので、基準を決めた。市民アンケートでの『高齢者の負担も必要』『2/1が妥当』との意見を参考にした」と答えました。
都合のいい事例だけで負担増をするな
わしの議員は、「市民アンケートを持ち出して、『高齢者も一定の負担が必要』と意見があったといわれるが、市のパブリックコメントでは、賛成はわずか数パーセント、反対が圧倒的多数を占めている。都合のいいことだけを答弁するな」と批判し、値上げや有料化の撤回への決意を表明しました。
議案質疑では、民主党議員が「値上げやむなしの市民の意見は少ない。納得できない」、自民党議員が「値上げは市長のマニフェストに一言もなかった」、公明党議員が「名古屋城と東山動植物園は高齢者を無料にすべきだ」などの意見が出されました。
高齢者が有料化される施設
名古屋城 旧川上貞奴邸 白鳥庭園 徳川園 東山動植物園 東山公園展望塔 東谷山フルーツパーク・温室 農業文化園・温室等 冷水プール 温水プール 日光川公園・サンビーチ日光川 博物館 科学館 美術館
値上げされる施設 | 現行(円) | 改定(円) |
---|---|---|
文化小劇場13ヵ所(全日) | 67,000 | 77,000 |
御岳休暇村(大人1泊) | 3,000 | 3,500 |
国際展示場駐車場(1回) | 300 | 700 |
公園テニスコート34ヵ所(半日) | 600 | 700 |
白鳥庭園入場料 | 200 | 300 |
農業文化園(温室等) | 300 | 400 |
黒川スポーツトレーニングセンター | 900 | 1,000 |
冷水プール(13ヵ所) | 200 | 300 |
瑞穂運動場の冷水プール | 200 | 300 |
港サッカー場(全日) | 114,000 | 130,000 |
高齢者就業支援センター(大会議室1日) | 11,700 | 17,500 |
総合社会福祉会館(大会議室1日) | 9,600 | 14,400 |
生涯学習センター(集会室午前) | 800 | 1,200 |
貯留施設設置への助成制度を
「許可を要する雨水浸透阻害行為の規模等に関する条例案」は、新川流域の特定都市河川流域への指定で、雨水貯留浸透施設の設置が義務づけられ、法令では1,000平方メートル以上の開発が対象であるものを500平方メートル以上の開発に引き下げるものです。
わしの議員は、「浸水被害の解消に大きな力を発揮するものと評価するが、設置費用の負担が大変で、公の施設への、国の補助のように、民間に対する補助も必要ではないか」と質問しました。
緑政土木局長は「雨水流出抑制の促進に努める」と答えました。