9月定例会・議案外質問 田口かずと議員
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アスベスト対策
小規模な建物の解体工事にも立入指導
実態把握や除去など市民の不安に応えよ
田口かずと議員が4日の本会議で行った議案外質問の概要を紹介します。
健康被害が大きな問題になっているアスベストについて、田口かずと議員は、企業と政府の責任を問うと同時に、市民の不安に応える対策をすすめることを求めました。
市内では1995年から2003年に中皮腫で95人が亡くなっていますが、市内のアスベスト関連企業での労災認定は10人です。田口議員は「多くのアスベスト被害者が、補償もされずに埋もれたままになっている」と指摘し、火力発電所の保守管理業務でアスベストの危険性も教育されず働いたあげく中皮腫になってしまった人の事例を紹介し、「被害者の実態把握と救済、市立病院でのアスベスト専門外来の設置」を求めました。
2500の市有施設を調査中
市有施設は、1987年のアスベスト調査による改修の際、封じ込めや囲い込みで済ませて、アスベストが除去されないままになっているケースも少なくない事を踏まえ、「アスベスト使用が判明した施設からは、可能な限り除去すべきだ」と指摘しました。
今後、アスベストを吹き付けたり、アスベストを含む建築資材を使った建物の解体や改修で、アスベストの飛散による影響が心配されます。大気汚染防止法での届け出義務は、延べ床面積500平方メートル以上で、吹き付け石綿の使用面積50平方メートル以上の建物となっています。田口議員は「吹き付け石綿などが使用されている建築物の解体・改修は、例外なく届け出を義務づけ、立ち入り指導を実施すべきだ」と追及しました。
小規模解体も指導する(局長)
環境局長は「小規模解体も立ち入り指導する」と答えました。
市の外郭団体「名食」がフジチクの不正の舞台に
市長は答弁不能
名古屋市の外郭団体である名古屋食肉市場(株)(名食)の社長だった藤村勲氏が、フジチクグループの資産隠しと豚肉輸入をめぐる差額関税脱税事件で逮捕・起訴され、名食とフジチクグループとの関係、および名食に対する名古屋市の指導監督責任が問われています。
名食の輸入豚肉の取扱高は、名食全体の取扱高の4割前後なのに、名食が愛知食肉卸売市場協同組合(愛食)から食肉卸売営業権を譲り受けた2001年5月以前には、輸入豚肉を取り扱いがないなど、フジチクグループの豚肉輸入をめぐる関税脱税の舞台が、営業権の譲渡とともに愛食から名食に移ったことを示し、名食の輸入豚肉の取り扱いが、フジチクグループによって私物化され、今回の不祥事を招いたことにたいして、「市長の指導監督責任は問われないのか」と追及しました。
愛食から名食への食肉卸売営業権の譲渡価額の算定根拠の一つが愛食の取扱高です。しかし差額関税を逃れた不正な輸入豚肉の取扱高が大きなウエイトを占めていました。田口議員は「59億円という営業権譲渡価額は、適切だったのか」とただしました。市長は「逮捕起訴は遺憾。指導・支援する」と答えました。
戦後60年・・・戦争資料館の整備を早く
今年は終戦60周年。日本の侵略戦争で2000万人のアジアの人びとの命を奪い、310万人の日本人が犠牲になりました。名古屋市も、空襲で死者7千8百人余、負傷者約1万人、家屋の焼失等約13万5千戸に達する甚大な被害を受けました。
田口議員は「戦争の記憶の継承が十分でないことにつけこんで、侵略戦争を正当化する動きなどがある時だけに、戦争の残した教訓や平和の尊さを学ぶことができる資料館が必要ではないか」と、名古屋市会で請願が全会一致で採択されてから、すでに10年が経過した戦争資料館の整備を求めました。市長は「必要性は重々承知している」と答えました。