日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2005年10月12日発行

財政教育委員会 黒田二郎・梅原紀美子議員

自治体の役割を投げ捨てる
公施設の値上げ撤回を

料金値上げで利用者減となる

公の施設の使用料値上げ案が委員会で審議されています。財政教育委員会では、梅原議員が、「値上げで利用者が減るのではないか。公の施設は多くが利用してこそ施設である」とただしました。

高齢者の有料化は福祉の後退

同議員は高齢者料金について、当局の行ったアンケートは「無料のままでよい」という回答欄を設定しなかったが、まったく都合の良い恣意的なアンケートだ。大人の二分の一にしたことにより、名古屋城や東山動植物園など現在無料が、有料化となる。統一した基準を作ったというなら無料で統一するという考えもあるのではないか。今回の有料化は福祉の後退ではないか−−と追及しました。

財政局は「受益者負担の立場から統一的に基準を作った」と繰り返しました。

値上げしなくてもやれる

さらに梅原議員は、有料化される高齢者への影響について博物館が88万円、科学館が177万円、美術館が6万円であることをあげ、「わずかな金額であり値上げしなくてもやっていけるのではないか」と指摘しました。

「4年後をメドに見直す」と財政局答弁

同委員会では、統一基準や使用料金は指定管理者制度の導入で4年後をメドに見直すこと、各施設で収入増となったときは見直しもあることなどが明らかになり、与党議員から「値上げは万博後の大事な時期に水を差す。市長の考えを直接聞きたい」との意見が出され13日に市長が出席することになりました。

公の施設にかかる使用料値上げ案

公の施設1,069 施設のうち、法令等で基準が示されている 629 施設を除いた 440 施設を対象として、「公の施設にかかる使用料め設定基準」にもとづき使用料を算定し、126 施設の使用料を改定。

1 施設使用料、会議室使用料の値上げ

最低限の管理運営費と利用者増加策を加味した目標利用者数を設定し、受益者負担割合を適用して使用料単価を算定。

  • 改定率が1.5を超える場合は、利用者の急激な負担増を招かないことや利用者数の大幅な減少をさけるため、改定率の上限を1.5に設定。
  • 改定率が0.9〜1.1の場合は、改定しない。
小・中学生 無料(スポーツ・レクリエーション施設に限り大人料金の1/2)
(100 内未満切り捨て)
乳幼児 無料
敬老手帳所持者 大人料金の1/2(100円未満切り捨て)
身体障害者手帳等所持者 無料

2 減額・免除の統一化・・・以下の基準どおりに改定

3 定期券使用料の設定

個人利用施設に定期券を導入

4 適用時期

平成18年4月1日以降の利用に適用

使用料値上げの影響額の試算(単位:千円)
区分 金額
1 施設使用料の改定 162,318
  (1)値上げとなる施設 190,722
(2)値下げとなる施設 △ 28,404
2 会議室使用料の改定 52,264
3 減額・免除の統一化による改定 104,179
  (1)小・中学生(無料)
ただしスポレク施設は大人料金の1/2(100円未満切り捨て)
△ 18,938
(2)乳幼児(無料) 不明
(3)敬老手帳所持者(大人料金の1/2(100円未満切り捨て)) 123,117
(4)身体障害者手帳等所持者(無料) 不明
合計 318,761

※17年度予算の利用者数をもとに算出しました。