日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2005年10月26日発行

健康福祉委員会(10月19・24日) 山口きよあき議員

04年度決算審議
高齢者に54億円も負担増

山口きよあき議員は04年度の決算で高齢者への負担増が54億円にものぼることを明らかにし、福祉や介護での支援について追及しました。

山口議員は「高齢者対策から少子化対策に予算をシフトしたというが、高齢者の福祉が十分な水準に達したから切り下げたのか。高齢者の所得は国民年金しかなく伸びていない」と追及し、「市は生活保護費などが増えたというが老齢加算は削られている」と高齢者への支援充実を訴えました。

高齢者負担増54億円の内訳
敬老パス 有料化で29万人が9億8300万円
国保75歳減免 縮小で5万9千人が約18億円
要介護等高齢者福祉金 全廃で2億8600万円
老人医療費助成全廃 04年度10月1日から廃止で9億9955万円
福祉給付金 03年8月に非課税世帯への助成を廃止。04年10月に対象を70歳以上に拡大したが、それでも13億5026万円の負担増

市が介護保険利用料の減免制度を

介護保険では社会福祉法人が提供する介護サービスについて減免制度がありますが、04年度は実施法人数が48,減免対象者が164人と、たいへん少ない実態が明らかになりました。市は、1割の利用料は介護保険制度の根幹であって、全国一律でやるべき」と答弁しました。山口議員は「すでにサービスの提供主体は、営利企業が半分以上を占めており、市独自の利用料減免制度をつくる必要がある」と主張しました。

弱者いじめで増える生活保護受給者

こうした中で高齢者を中心に、生活保護受給者が急増しています。特に60歳以上は全体の54.4%を占めています。

生活保護受給世帯の年齢階層別人員の推移(各年度7月1日)
年齢区分 03年度 04年度
0-14 2,390人 2,599人
15-29 686人 759人
20-29 460人 490人
30-39 1,205人 1,364人
40-49 1,580人 1,840人
50-59 3,754人 4,076人
60-69 5,709人 6,542人
70-79 4,556人 4,930人
80歳以上 1,589人 1,778人
合計 21,929人 24,378人

担当職員増やしても焼け石に水

04年度は生活保護担当の区役所職員を全体で7名増やし、187名になりましたが、一人が担当する世帯数は107と前年から8世帯も増えています。山口議員は、「病気も貧困も予防が大切だ。市長は真に困っている人には市の責任で対応するが、あとは相互扶助、受益者負担でやるといっている。これでは、生活保護受給者が増えるし、医療や介護もふくらんでしまう」と批判しました。

 

乳がん検診X線装置を増やせ

乳がん検診は昨年度、対象年齢が30歳以上から40歳以上に引上げられ、乳房X線装置(マンモグラフィ)による健診が取り入れられました。03年度までは視触診のみで個人負担は700円でしたが、マンモグラフィ導入で1方向撮影が1,300円、2方向撮影が1,800円となり、年1回受診から2年に1回に変更になりました。

市内に健診できる医療機関は39カ所しかない

04年度は10月から3月までの受診者が5,930人で前年の27,474人から見ると激減です。健診対象の女性は57万7千人。山口議員は「受診率があまりに低い。07年度には受診率を15%に上げるというが、マンモグラフィのできる医療機関が市内に39カ所しかない。もっと増やさないのか」と追及し、「乳がん自己触診法の普及とあわせてマンモグラフィで健診できる医療機関を増やすべきだ」と主張しました

マンモグラフィを設置している医療機関数 乳がん検診承諾医療機関数 マンモグラフィ設置状況
設置 未設置
55 178 39 139