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2005年10月28日発行

経済水道委員会 かとう典子副委員長・さとう典生議員

04年度決算審議
名食・愛食の営業権譲渡価額59億円
もう「公正だ」とは言い逃れできない

10月24日の経済水道委員会では、市民経済局関係の決算審査の質疑がおこなわれ、さとう議員が食肉市場をめぐる疑惑について当局を追及しました。

営業権譲渡価額は信頼性なし

豚肉脱税事件の公判では、愛食が不正な豚肉を扱っていた99年に、愛食の公認会計士が、国税当局から脱税摘発の警告をうけ、藤村芳治被告らに伝え、2003年にも再度中止を求めたとされています。

この公認会計士こそ、愛食・名食の営業権譲渡価額の評価方法を決定した「食肉卸売市場整備問題検討委員会」の委員である八木正之氏です。これまで当局は、営業権譲渡価額について「公認会計士など学識経験者が入って決めており公正だ」としてきました。

さとう議員が「事件の公判で、八木氏が名食の顧問会計士だけでなく、愛食の公認会計士でもあることがはっきりした。検討委員会委員の藤村芳治、藤村勲の両被告が逮捕され、公認会計士も豚肉不正について知っていた人物だ。その委員会が評価した59億円の価額が信頼できるのか」と追及。当局は「検討委員会は、営業権の評価方法を議論したのであって、価額を決めたのではない。価額については、愛食・名食の双方が合意した額で決められた」と、はぐらかしの答弁。

これに対してさとう議員は、「ここに”墨塗り”の検討委員会の議事録があるが、公開部分でも『【座長】大変デリケートな言い回しもございましたが、ただ今■■■からご説明のありました「営業権の価額」につきまして何かご意見がございましたらお願いします』とあるではないか。価額について決めてないというなら、議事録を全面公開せよ」と迫りましたが、当局は「議事録は市の情報公開条例にもとづき公開している」と答えるにとどまりました。

不可解な食肉公社への冷蔵庫補助金は、愛食=フジチクグループへの税金たれ流し

名古屋食肉公社への「枝肉保管冷蔵庫等賃借料助成」(1億9300万円)は、熱田市場にある愛食所有の冷蔵庫を食肉公社が借りるに際して、市の基準以上の額を補助するというものです。

さとう議員が「食肉公社は、高畑市場でと畜・解体を行う業者だ。なぜ熱田の冷蔵庫を借りる必要があるのか」とただすと、当局は「高畑市場では名食が卸売業務を行い、冷蔵保管業務課は食肉公社が行っている。名食が愛食から営業権を譲り受けてから、熱田市場でも高畑と同じスキームで行っている」と答えました。さとう議員は「直接名食が愛食から冷蔵庫を借りればよいではないか。食肉公社を介在させ、結局、愛食へ多額の補助金を投入するからくりだ」と指摘しました。

 

増える井戸水利用 減免制度の復活で対策を

昨年度から国公立病院や民間社会福祉施設の水道料金の減免制度が廃止をされました。

さとう議員は「廃止になってどのような影響がでたのか」とただし、当局は「減免廃止による、該当施設からの給水収益は約6600万円、減免分を一般会計から繰り入れていた場合よりも、年間で720万円ほど増えた」と答弁しました。

さとう議員は「6600万円負担が増えたことになる。ある民間病院では、水道代を節約するため、井戸を掘ったと聞いた。減免がなくなり、料金の負担が増えれば、こうした事例が増える」と指摘し、「水道事業への影響はどうか」と質問しました。

当局は「膜処理技術が進み、井戸水を処理して、水道の代わりに使えるようになり、この2年間で病院、ホテル、大規模商業施設など11カ所が切り替わった。単価も安く、なかなか競争は厳しい」と答えました。

さとう議員は「これから増えてくれば、再び地盤沈下が進むおそれもでる。地下水くみ上げ規制との関係はどうか?環境局と連携して対策をするべきではないか」と質問。

当局は「規制の範囲内での井戸水のくみ上げなので、対処が難しいが、全国でも問題になっている。国に対策をとるよう求めていく」と答えました。

さとう議員は「規制の範囲内でも、数が多くなれば、思わぬ影響が出る。」と早急に対策とることを求め、さらに「減免制度を復活するなど、水道利用の利便性を高めることも必要だ」と指摘しました。