日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2006年1月18日発行

経済水道委員会(1月17日) さとう典生議員、かとう典子議員

全国や世界の若者でにぎわった
ユースホステルを廃止なんて!

1月17日の経済水道委員会で、市立名古屋ユース・ホステルの廃止問題を審議しました。

名古屋ユース・ホステルは、「主として青少年の健全な旅行と交流を促進するため、低廉な費用で規律正しく宿泊させ、又は交歓させる施設」として、1968年4月に開館し、近年の利用実績は、40%程度にまで減少しましたが、昨年の万博開催時には80%前後の利用率がありにぎわっていました。すでに1月から休館となり、利用できなくなっています。

宿泊者数と利用率
区分 2003年度 2004年度 2005年度
4/1〜3/24 3/25〜3/31 4/1〜9/25 9/26〜12/28
宿泊者数 12,294人 12,363人 622人 13,024人 1,830人
利用率 34.2% 35.1% 88.9% 73.2% 19.5%

 

老朽化対策に2億6千万円必要

当局は、利用者、特に若者のニーズが変化し、他人との相部屋に抵抗を感じる者が多くなるなど「宿泊を通じて交歓する施設」としての役割が低下しているとともに、耐震診断結果が「II−2」となり耐震改修には2700万円、老朽化対策に2億6千万円も必要となるので「廃止したい」と述べました。

 

低廉な宿泊施設は必要

さとう議員は、韓国やアメリカなど海外青年の利用が多い実態をふまえ、「国際交流都市をめざす名古屋市が、低廉な宿泊施設を廃止することは問題」と指摘しました。また、札幌市が1990年にユース・ホステルを改築した事例を紹介し、「利便性が良く利用者の増加が見込める場所への移転を検討し、『名古屋観光会館』など市中心部の既存施設の利用をはかる」ことを提案して、ユース・ホステルの存続を求めました。

 

名古屋ユースホステルの概要
構造 鉄筋コンクリート 地上3階地下1階
敷地:6,995 平方メートル 延床:1,345.45平方メートル
施設内用 宿泊施設:26室 (宿泊定員100人)
集会施設:2室、食堂、浴室、洗面所等
使用料 宿泊施設(1人1泊) 16歳未満:1,500円
16歳以上:2,000円
集会施設(1人1回) 250円
管理運営 財団法人 名古屋観光コンベンションビューロー

名古屋ユースホステル名古屋ユースホステル周辺地図

市の評価はBなのに外部(行政評価委員会)はD評価

02年度行った市の行政評価は、「青少年の健全な旅行と交流を促進している。より一層のサービスの向上とPRに努める」とし、「B(改善・検討)」評価でした。ところが外部評価では「老朽化が進んでいる。周辺地域は立地条件が良いにもかかわらず、時代の趨勢にあった施設でなくなっているため、利用率・収支率も低くなっている。万博後、将来的には事業の継続・廃止についての抜本的検討をしてください」といって「D」評価とし、廃止を求めてきました。

「大交流時代」を掲げておきながら、一般利用施設をつぶしていく松原市政は矛盾だらけです。