日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2006年1月20日発行

公社対策特別委員会(1月20日)田口かずと議員 山口きよあき議員

経営強化のために愛食と統合したはずなのに…
売り上げは年々落ちる名食

1月20日の公社対策特別委員会では、市民経済局が関係する8つの外郭団体について審議が行われました。このうち名古屋食肉市場株式会社(名食)はBSEにからんだ牛肉偽装事件や輸入豚肉関税脱税事件などで大きく信頼を失墜し、市民から疑惑の目で見られています。田口かずと議員は、名食の財務状況悪化の原因と対応についてただしました。

輸入豚肉の取り扱いは休止中

田口議員は、名古屋市の外郭団体でただ1つ債務超過に陥っている名食の財務悪化の原因について、「BSEの影響だけではない。どう分析しているのか」と質問しました。名食は「BSEによって牛肉の取り扱いが減った上、輸入豚肉の扱いも減っている。それに加えて減価償却の負担が一番大きい」と答えました。また、2001年5月の統合前に愛食(愛知食肉卸売市場協同組合)が管理していた熱田市場の豚肉取扱量が減少する理由について「外圧があるわけでなく、会社として扱いが減ってきただけ。輸入関税問題で昨年2月からは豚肉の取り引きを休止している」と答えました。

さらに田口議員は、「経営規模が年々縮小している。経営改善の展望はあるのか」とただし、名食は「愛食を引き継いで、減価償却の負担で苦しくなっている。BSE問題の解決など取引できる状況が改善されれば出荷拡大に努力する」と答えました。

フジチクとの関係にメスを入れ、清算を

田口議員は「累積赤字の根源は愛食との統合だ。経営権の移譲で名食が食い物にされ、経営悪化を招いた。愛食やフジチクとの関係をきちんと清算しなければ改善ができない」と厳しく批判しました。名古屋市は「BSEや輸入関税事件などで苦戦している。南部市場の新しい施設への移転で改善できるよう、指導や支援をする」と答弁しました。

田口議員は「真摯に反省し、調査・検討する中でどうすることにしたのか」と追及、市は「新施設で業務の拡大が可能になり経営改善ができる。信頼性を高めたい。輸入豚肉時嫌悪調査は検討委員会の結果が出たら公表する」と答えました。

他の委員からは、名フィル、産業振興公社、市民休暇村について質問がありました。

食肉にしめる輸入豚肉の割合
2001年度 37%
2002年度 44%
2003年度 42%

名食の食肉取扱量
  2003年度 2004年度
高畑市場 88億円 99億円
熱田市場 237億円 182億円

熱田市場の取扱量
  2003年度 2004年度
牛肉 40億円 26億円
豚肉 137億円 99億円

南部市場の完成予想図

 

建設中の名古屋市南部市場(仮称)の概用
所在地 名古屋市港区船見町内 船見ふ頭(旧8号地)の一部
開設者 名古屋市
面積 敷地面積 約60,000平方メートル
延床面積 約27,000平方メートル
(本館棟:約22,800平方メートル 処理棟:約4,200平方メートル)
建物構造 本館棟 鉄骨造2階建(一部3階建)
処理棟 地下 鉄筋コンクリート
地上 鉄骨造2階建
主な建物 本館棟 卸売場、と室、解体室、部分肉加工室、冷蔵庫、処理施設棟 廃水処理施設、焼却処理施設等
主な施設の能力 けい留能力 牛 100頭
豚 840頭
と畜解体能力 牛 100頭/日
豚 1000頭/日
枝肉冷却室収容能力 牛 180頭
豚 1000頭
部分肉加工室処理能力 牛 150頭/日
豚 400頭/日
新市場の主なBSE対策 ・特定部位を確実に除去し、食肉衛生検査所の職員による全頭検査を引き続き行うとともに、特定部位は専用容器に一時保管し場内で焼却処理を行います。

・牛肉トレーサビリティ法の確実な運用を支援するための情報システムを導入します。