2006年度予算案
さらに市民負担増と市民犠牲強まる
2月13日、日本共産党市会議員団は下記の声明を発表しました。
2006年度予算案に対する日本共産党名古屋市会議員団の声明
2006年2月13日
日本共産党名古屋市会議員団
団長 村瀬たつじ
一、2月20日から始まる2月定例会を前にして2006年度予算案の概要が発表されました。
一般会計は今年度につづき1兆円を下回り、特に歳入面では、市税収入が定率減税の半減など庶民増税で個人市民税が増収となるなど、前年度比156億円増の4768億9600万円となる一方、地方交付税は10億円と前年度比100億円の大幅減となります。
一、小泉構造改革にもとづく「三位一体改革」の名のもとに国庫負担の削減や一般財源化、庶民大増税が進められています。松原市政は、国の悪政に追随するとともに、福祉施策などを大改悪し後退させてきましたが、予算案では、更に市民負担増と市民犠牲を強めるとともに、民間委託と市職員削減を進め、市民サービスを低下させていく内容となっています。
「元気な名古屋」といわれていますが、市民のなかでの貧困と社会的格差の広がりが更に大きくなることが懸念されます。名古屋市が国の悪政から市民を守る防波堤としての役割を果たすことが求められています。
一、予算案では、生涯学習センターなど公の施設の使用料や保育料の値上げをはじめ、介護保険料の基準額は4割もの大幅値上げとなっています。就学援助は所得基準が見直され、生活保護世帯への公衆浴場入浴券や見舞金などの支給が廃止。障害者自立支援法の施行に伴い障害福祉サービス利用料が原則1割負担となり、現行無料の国民健康保険の精神通院医療も有料に。高齢者の加入が多い交通災害共済が9月末で廃止となり、満80歳と数え88歳の敬老金の支給は大幅に削られます。
なお、老朽化の市立則武保育園(中村区)について廃園・民営化の方針が一方的に示され父母の強い反対運動が広がっていますが、廃園を前提とした社会福祉法人による新設が予算化されています。父母の意見を無視しトップダウンで公立園の廃園を押し付ける市政運営は大問題です。国庫補助金から公立保育園整備費が外された状況のもとで、国の悪政に追随し、民営化に踏み切るのでなく公的責任を果たすべきです。
放課後の全児童対策としてのトワイライトスクールは、時間延長モデル事業が16校で始まります。学童保育所の役割を取り入れるものであり問題です。留守家庭児童対策としての学童保育所を制度化させることが必要です。
一、「ポスト万博」の大合唱のもと、松原市長は名古屋城本丸御殿の復元や産業技術未来博物館構想などを巨大プロジェクトとして目玉にしています。そして財界からの要請にこたえ名古屋駅周辺を「国際ビジネスの一大拠点」の中心に位置づけ、トヨタなど財界が進める超高層ビル建設への補助金を引き続き予算化するのをはじめ、外資系などの企業誘致を本格化させようとしています。これでは地元の中小企業や市民が潤う地域の活性化にはつながりません。ムダと浪費の大型公共事業にメスを入れ税金の使い方を市民の暮らし重点に変えていくことがますます重要です。
また、国民保護法に基づく名古屋市国民保護計画の策定は戦争協力に道を開くものであり、とりやめるべきです。
一、予算案では、「子ども青少年局」が新設され、医療費無料化が就学前だけでなく小学校1年から小学校3年まで(入院を対象)に拡充されるほか、小学校2年生の30人学級が16校から136校に拡大、養護学校高等部の重複障害学級の増設、障害児保育の受け入れ枠が3人から4人へ拡大、マンションの耐震診断への助成などが盛り込まれており、市民の大きな運動や日本共産党などの提案が実現しました。
一、日本共産党は、松原市長に対し「住民の福祉の増進」という地方自治の立場に立ち返ることを強く要求するとともに、予算案の組み替え提案など、市民のみなさんと力をあわせて、市民本位の予算になるように全力を尽くす決意です。
以上
会計名 | 2006年度予定額 | 2005年度予算額 | 対前年度比率 |
---|---|---|---|
一般会計 | 979,221,000 | (989,111,000) 988,717,000 |
(99.0) 99.0 |
特別会計 | 1,332,248,638 | (1,304,146,716) 1,336,190,651 |
(102.2) 99.7 |
公営企業会計 | 462,047,351 | 490,733,708 | 94.2 |
病院関係 | 28,482,723 | 28,107,867 | 101.3 |
水道関係 | 83,805,300 | 81,675,712 | 102.6 |
下水道関係 | 163,787,984 | 158,222,918 | 103.5 |
交通関係 | 185,971,344 | 222,727,211 | 83.5 |
合計 | 2,773,516,989 | (2,783,991,424) 2,815,641,359 |
(99.6) 98.5 |
(注)
1 公営企業会計については、歳出額を記載した。
2 平成17年度の()書きは、市立大学を公立大学法人とみなした場合の数値。
主な見直し事項
- 交通災害共済事業を廃止
- ユース・ホステルの廃止
- めっき業種等上下水道使用料特例措置負担金の廃止
- 敬老金の支給を削減
- 生活保護世帯への公衆浴場入浴券の支給の削減(07年廃止)
- 生活保護世帯への高等学校入学支度金及び夏季歳末見舞金の廃止
- 国民健康保険の精神医療助成を廃止
- 看護師養成施設運営補助金の廃止
- 生活衛生関係営業等の上下水道料金の軽減を廃止
- 公衆浴場高齢者ふれあい支援事業(高齢者無料入浴事業)を有料に
- 準要保護者に対する就学援助を削減