本会議・議案質疑(3月8日)山口きよあき議員
介護保険料の大幅値上げは許さない!
4月から第1号被保険者(65歳以上)の保険料値上げ条例の改悪案(基準月額で3,153円から4,398円に)について山口議員は、この大幅値上げは高齢者の暮らしは持続できないと値上げ凍結を求めて質問に立ちました。
国が67億円負担すれば据え置き可能
介護保険のサービス提供費用の財源は、利用者負担(1割)と給付費でまかなわれます。給付費の財源は、法律で国が25%、市町村と都道府県で25%、国民の払う保険料が50%と法律で決められています。ところが、国は自治体への定率分を一律20%に引き下げ、75歳以上の高齢者比率や所得水準によって自治体ごとに比率の異なる調整交付金を交付しています。調整交付金は名古屋市の場合3.16%であり国からの合計は23.16%しかありません。これを25%に引き上げるだけで保険料を839円引き下げることができます。また、現行(3153円)に凍結・据え置きには67億円で可能です。
山口議員は、国が必要な負担をすることを強く要求するように求めるとともに、市として一旦、一般会計から繰り出し据え置くように求めました。
市長は「毎年、全国市長会などで国の負担分は25%とし、別に調整交付金を要望している。市が法で決められた12.5%を超える一般財源繰入はできない」と答えました。
配食サービスなどは福祉施策で実施を
介護保険料値上げの要因には、今まで一般会計で行っていた福祉事業が介護保険に組み込まれたことがあります。山口議員は、自治体の任意になっている配食サービスなどの地域支援事業は一般会計で行う市の福祉事業にするよう求めました。
市長は「介護保険て実施することで充実する。厳しい財政状況なので一般財源ではやらない」と答弁。山口議員は「一般財源繰入は介護保険法上できないというが、法律どおり負担していないのは国のほうだ」と批判しました。
区分 | 国負担率 | 国庫負担増加額(年額) | 保険料(月額) | ||
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定率分 | 調整交付金 | 計 | |||
06年度予算案 | 20% | 3.16% | 23.16% | ― | 4,398円 |
推計1 | 25% | 0% | 25.00% | 45億円 | 3,559円 |
推計2 | 25% | 2.01% | 27.01% | 22億円 | 3,153円 |
値上げ案4,398円を現行3,153円に抑えるには国庫負担定率分25%と調整交付金2.01%でできます。金額にして67億円です。(健康福祉局試算)
6万人が5,000円に
敬老パスの負担増をやめよ
国の増税(住民税の老年者控除の廃止、公的年金等控除の縮小)によって市内の6万人の高齢者が市民税非課税から課税世帯に変わります。この方たちには増税の痛みに加えて、敬老パスも1,000円から5,000円になります。
山口議員は「敬老パスを市民から遠ざけることは、介護予防にも逆行する」「現状維持に必要な経費は約2億3千万円で、これは高齢者にのしかかかる増税分の十分の一。その気になれば凍結できるではないか」と主張しました。
市長は「税制改正は現役世代と高齢者間の税負担の公平のため」「敬老パスの一部負担金は住民税課税かどうかで決める」との答弁にとどまりましました。