日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2006年4月26日発行

市議団がサイエンスパークを現地調査(4月25日)

いきづまったサイエンスパーク
市財政にしわ寄せ

日本共産党名古屋市会議員団は4月25日、守山区志段味の「なごやサイエンスパーク」を現地調査しました。

サイエンスパークは、志段味地域の広大な区画整理事業で用地造成を行い、「産・学・官」の連携や先端技術産業の振興・育成をキャッチフレーズに進める「企業誘致」です。この事業は1987年に名古屋市産業振興懇談会において建設が提言されて以来、推進されてきましたが、今日に至るまで基本構想に基づく事業が終わっていません。構想では4ゾーンに区分されていますが、公的研究機関の集積場所のAゾーンはほぼ完了。大学・研究機関などを誘致するBゾーンは更地のままでメドがまったく立っていません。

すすまぬ企業誘致―テクノヒル名古屋

分譲用地
1500平方メートルの用地(分譲価格1億1千万円、賃貸月額31万3千円)

民間企業の研究開発施設を誘致するCゾーン(テクノヒル名古屋)は、9.8ヘクタールのうち約3割の2.9ヘクタールしか誘致が進んでいません。分譲だけでなく賃貸でも募集をしています。

用地を先行取得した名古屋市土地開発公社から市が買戻す価格は時価との開きが大きく、その差額は、今年度買戻す予定の土地だけでも9億2千万円にもなります。さらに、まだ買戻していない、いわゆる「塩漬け土地」(取得後5年以上経過)が31ヘクタールもあり、利息を含めた価格は370億円と見込まれており、市財政にとって大きな負担となっています。

分譲用地
共同研究にトヨタや日立など大企業の名前が・・・

また、工場跡地だった「ふれあいゾーン」2.4ヘクタールの土地は、「市民と先端技術のふれあいの場」をつくるとして、すでに市が98億円で買戻していますが、目的自体があいまいで具体化が進んでいません。2月議会で党市議団は「松原市長の掲げる産業技術未来博物館構想とどうちがうのか」とただしてきました。そのうえ区画整理の再減歩で、すでに事業化している「Aゾーン」の分まで減歩したため、「ふれあいゾーン」の用地はたった0.5ヘクタールとなってしまい、事実上構想が頓挫しています。

また、研究施設の技術開発では、「産・学・官」の連携の名のもと、トヨタ自動車などの大企業の名前が目立のが特徴です。今回の視察を通じてサイエンスパーク事業は抜本的な見直しが必要であることが明らかになりました。

今年度、市がテクノヒル名古屋の土地を
土地開発公社から買戻す価格
ブロック 面積 公社の
取得価額
買戻し
予定額(a)
現在の
推計価額(b)
差引
(b)-(a)
7,107
平方メートル
944 1,280 530 △750
I−6 1,250
平方メートル
190 266 93 △173
単位:百万円

「テクノヒル」名古屋への企業誘致の状況