日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2006年9月12日発行

9月12日 6常任委員会いっせいに審議

市民不在の一方的な外部評価
これはひどい 福祉後退・市民サービス切り捨てを促す

名古屋市は「行財政改革」のテコとして「行政評価(事務事業評価)」を1999年度に試行し、2003年度には全事業で実施し、「効率的な行政」などをうたい、市民に負担増を押しつけてきました。昨年度はソフト事業がやり玉に挙げられ、今年度は経常的事務事業485事業を「効率的」かどうかを中心に評価され、9月12日の市議会の常任委員会に結果が示されました。

安い保育料や国保料の減免を攻撃

行政評価では市の評価とともに外部委員による評価が行われ、企業経営の視点から「見直しの検討(C)」「休・廃止の検討(D)」などの評価がされています。今回は22事業がC評価とされました。

名古屋市の保育料は国基準に対し低くなっていますが、外部評価では「見直し(C)」、国民健康保険については一般財源繰り入れや減免制度の検討を求め「C」とするなど、市民負担増となる福祉・暮らし予算の削減を促すという一面的な評価をしています。

市民を戦争に巻き込む国民保護業務は推進

外部委託を求め「C」としたのは小学校給食、資源収集やごみ収集、河川のポンプ所の操作などです。また、無料で実施されている防火管理者等の講習会は受益者負担の見直しを求め,信用保証協会への出捐の休止の検討をを求めるなどなど、採算性だけを追求しています。その一方で市民を戦争に巻き込む「国民保護業務」などは、だんまりで推進しています。

与党会派も外部評価を批判

日本共産党は、「外部評価の視点には効率性の向上に走り、住民福祉の増進という視点が欠落している」ときびしく批判しました。与党会派からも、「外部評価が保育料を見直せというのは、『子育てするなら名古屋』という松原市長に異を唱えるものではないか」などの声が上がりました。

行政評価の結果
区分 説明 市の評価 外部評価
A 計画通りに事業を進めることが適当 341件 225件
B 事業の進め方の改善の検討 144件 238件
C 事業規模・内容又は実施主体の見直しの検討 0 22件
D 事業の抜本的見直し、休・廃止の検討 0 0
合計 485件 485件

外部評価委員(◎:委員長 ○:副委員長)

◎ 稲沢克祐関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科 教授

○ 加藤玲子(有)加藤寿エンタープライズ 代表取締役

○ 賓藤友之日本福祉大学経済学部 助教授

木村彰吾名古屋大学大学院経済学研究科 教授

太田哲男元愛知県監査委員事務局長

長谷川桂子弁護士

秀島栄三名古屋工業大学大学院工学研究科 助教授

藤田かずえオフィスカズ 代表

三島知斗世NPO法人ボランタリーネイバーズ 事務局長

外部評価でのC評価の主なもの
事務事業名 総合評価 外部評価の理由
外部
保育実施委託(民間保育所) B C 保育料水準を見直すべき
国民健康保険保険給付 B C 一般財源繰り入れや減免制度を検討すべき
防火管理者等の講習及び指導 B C 受講者負担分(現行は無料)を見直し
ポンプ所維持 B C 外部委託を検討
給食運営管理 A C 小学校給食は民間委託
資源収集・ごみ収集 A C 外部委託の検討
留学生支援金給付事業 A C 参加率70%は少ない
新事業創出支援事業 B C 民間など類似の事業整理
信用保証協会への出捐 A C 休止時期を検討
各種表彰等 B C 公金支出は疑問

大型公共事業などの評価
事務事業名 総合評価 外部評価の理由
外部
徳山ダム建設 A B 今後の負担額増を検討
都心部の再開発事業等の誘導 A A コメントなし