05年度決算審議 教育子ども委員会 田中せつ子議員
配偶者特別控除廃止が子育て世帯を直撃
税制改悪で保育料の負担増
教育子ども委員会の決算審議では、配偶者特別控除の廃止などの影響によって、収入は変わらないのに所得階層が上がり、保育料の負担が増える世帯が相当数あることが明らかになりました。
田中せつ子議員は「05年度と04年度の保育料の所得階層別の人数は、D5以上の全階層で人数が増え、D4階層以下ではすべて減っている。配偶者特別控除の廃止によって、収入は変わらないのに保育料が上がった人がたくさんいたということではないか」とただしました。当局は具体的な人数などはわからないとしながらも「税制改正の影響はある」と認めました。
田中議員は「配偶者特別控除で影響を受けた世帯というのは、夫の収入だけでは家計が大変で、妻のわずかながらのパート収入でなんとかやり繰りしているような世帯だ。こうした子育て世帯を直撃する負担増は許されない。軽減措置などを講ずるべきではなかったか」と追及。当局は「税制改正は国の制度変更であり、影響が出た人を特定することもできない」と答弁しました。
また、保育料収入は04年度が57億5千万円だったのが、05年度は62億9千万円に増収となったことも明らかになりました。田中議員は「影響を特定できないなら、増収分の5億円余で保育料を値下げするべきだ」と重ねて主張しました。
階層区分 | 04年 | 05年 | 増減 | ||
---|---|---|---|---|---|
A階層 | 生活保護世帯 | 528 | 556 | -28 | |
B階層 | 市民税 非課税世帯 |
3163 | 3051 | -112 | |
2844 | 2562 | -282 | |||
C階層 | 1 | 所得税 非課税世帯 |
913 | 663 | -250 |
2 | 691 | 402 | -289 | ||
3 | 1992 | 1070 | -922 | ||
D階層 | 1 | 所得税 課税世帯 |
288 | 244 | -44 |
2 | 1177 | 928 | -249 | ||
3 | 1492 | 1227 | -265 | ||
4 | 2926 | 2807 | -119 | ||
5 | 2611 | 2994 | +383 | ||
6 | 2226 | 2588 | +362 | ||
7 | 3299 | 4057 | +758 | ||
8 | 1914 | 2528 | +614 | ||
9 | 1333 | 1514 | +181 | ||
10 | 1833 | 2102 | +269 | ||
11 | 802 | 857 | +55 | ||
12 | 730 | 737 | +7 | ||
13 | 679 | 693 | +14 | ||
計 | 31441 | 31580 | +139 |
党市議団の要求で調査
在住外国人の就学は小学生66%、中学生60%
名古屋市でもブラジル人など在住外国人が増え、その子どもたちの教育が問題になっています。党市議団は、昨年6月議会での山口清明議員の本会議質問などで外国人児童生徒の就学状況の実態調査などを求めてきましたが、市教育委員会は、決算審議での田中せつ子議員の質問にこたえて、これまで明らかにしていなかった市立小中学校への就学率などを初めて公表しました。
田中議員が「外国人の子どもは『義務教育でない』とされるので、就学を希望する場合は受け入れるが、希望しない場合はとくに対策がとられないという状況だ。05年度での学齢期の外国人登録者数と比べた就学状況はどうなっているのか」とただしたところ、市教委は市立学校への在籍率が、小学校66.4%、中学校60.0%であることを明らかにしました。また、06年度の入学案内を発送したが入学を希望しなかった174人に対して行ったアンケート調査(2月実施)の結果を報告しました。それによれば、回答のあった28人のうち、「外国人学校へ行く」が13人、「未定」や「入学意図なし」が8人いることがわかりました。
田中議員は「『入学意図なし』のなかには、すぐに本国へ帰るつもりだという人もいるが、実際には滞在が長引くこともあり、その子どもたちの将来が心配だ。今回初めてこうした調査を行ったことは評価できるが、回収率も低く、本格的な実態調査を行い、対策をとることが必要だ」と指摘しました。
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