日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2006年11月14日発行

名古屋名港管理組合議会(11月13日)
山口きよあき・村瀬たつじ議員

名古屋港は「トヨタ」のものか

名古屋港管理組合11月議会の本会議で、山口きよあき議員が一般質問をおこない、「トヨタのための名古屋港」になっている実態をただしました。

飛島ふ頭南側ターミナル(写真1

トヨタの土地に公費でコンテナターミナルを整備

名古屋港ではスーパー中枢港湾のモデル事業として大水深バースのコンテナターミナルを建設しています(第1〜第3バースの総額は約860億円)。

飛島ふ頭南側コンテナターミナルは、南側の約半分をトヨタ自動車から購入(平方メートル単価44,500円)、北半分はトヨタ所有のまま、年間1億円以上の賃貸料を支払いながら整備が進められてきました。今回、この奥行き500mまでのコンテナターミナルのトヨタの土地99,943平方メートルの購入費として44億円(平方メートル単価43,900円)が計上されました。この部分は1967年に名古屋港管理組合が大昭和製紙に5億6千万円で売却し、その後、トヨタが購入したものです。

山口議員は「大水深バース建設は国の直轄事業であるので、トヨタの土地も国が直接取得すべきでないか」と追及しました。

コンテナターミナルの運営はトヨタ資本

名古屋港管理組合が税金を使って整備したコンテナターミナルは、国がTCB=飛島コンテナふ頭株式会社(トヨタ資本100%の飛島物流サービスが30%出資=筆頭株主)へ直貸ししています。「トヨタの土地を税金で整備し、地価を上げてから買い上げる。しかも、整備した施設をまたトヨタ資本に貸し付ける。トヨタのための港湾整備そのものだ」と厳しく批判しました。

新宝ふ頭(写真2

借金して公費で整備した岸壁をトヨタに売り渡し

名古屋港管理組合が整備した新宝ふ頭(東海市)の公共岸壁をトヨタの専用ふ頭として売り払います。

名古屋港には新日鉄をはじめ多くの専用ふ頭がありますが、岸壁整備も含め各企業が整備してきました。今回、新宝ふ頭を45億円で売り払いますが、整備は国庫補助事業だったので、補助金11億円などを返還しなければなりません。

山口議員は「国庫還付金は土地代とは別に専用ふ頭として使用するトヨタが負担するのが当然」と指摘し「税金を使って、トヨタだけのために港づくりを進めているとの批判は免れない」と批判しました。

 

村瀬議員もただす

トヨタ専用ふ頭化は問題

同日行われた同組合議会のの企画総務委員会で村瀬たつじ議員は、名古屋港の新宝ふ頭(名古屋港管理組合が所有する水深−9mの岸壁と約2万平方メートルの荷さばき地)をトヨタに売払う補正予算案に対して質問しました。 このなかで次のようなことが明らかになりました。 第1に、組合が公共用岸壁として整備したふ頭を民間(トヨタ)に売払うことは異例で今回が初めてのことであること。第2に、飛島南側コンテナターミナルの整備のために、トヨタの所有地を購入することと引換えであること。第3に、新宝ふ頭は3年前に大型化が完成したばかりで、毎年、借地料として1.2億円の収益をあげており、今後の収益は、耐用年数でみればトヨタへの売払い額よりはるかに多額になることなどが明らかとなり、補正予算案に反対しました。

 

飛島ふ頭南側コンテナターミナル(写真は名港管理組合HPより)

北側の約10万平方メートルをトヨタから44億円で購入。南側は4年前に購入して整備してきた。

飛鳥ふ頭南側ターミナル(写真1)と新宝ふ頭(写真2

飛島ふ頭周辺地図

飛島ふ頭南側コンテナターミナル

新宝ふ頭

新宝ふ頭(約2万5千平方メートル)=45億円(11億円は国に返還)でトヨタに売却。公共岸壁の周りはトヨタに取り囲まれ、使用料として年間1億2千万円を得ている。